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iShares MSCIブラジルETF(EWZ):価格、保有銘柄、見通し

by VT Markets /
Oct 28, 2026
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iシェアーズ MSCI ブラジル ETF(EWZ)は米国上場のETF(上場投資信託)で、MSCI Brazil 25/50 Index(MSCIが算出する、ブラジルの大型・中型株で構成される指数。特定銘柄への集中を抑える上限ルール「25/50」を採用)に連動します。2026年10月23日時点で46銘柄を保有し、年間の経費率(運用管理費などのコスト割合)は0.59%。分配金(保有者に支払われる利益の分配)は年2回です。構成は銀行、石油、鉱業が中心です。

EWZは、海外投資家がブラジル株式市場にアクセスするための「1つのティッカー(取引コード)」と捉えられます。実態としては、(1)ブラジルの銀行株、(2)資源輸出企業(コモディティ=原油・鉄鉱石など国際市場で取引される商品を輸出する企業)、(3)ブラジル・レアルの3つに同時に賭ける形になります。というのも、ファンドの価格は米ドル建て一方、保有銘柄の収益はレアル建てで生まれるため、為替(レアル/米ドルの変動)の影響を受けるからです。

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要点

  • iShares MSCIブラジルETFは、ブラックロックが「iShares」ブランドで運用するパッシブファンド(指数への連動を目指し、銘柄選別で市場平均を上回ることより追随を重視する運用)である。2000年7月10日に設定され、NYSE Arca(米国の電子取引所)で米ドル建てで取引されている。
  • MSCI Brazil 25/50 Index(MSCIが算出するブラジル株指数で、構成比率の上限を設けて特定銘柄への偏りを抑える仕組み)に連動する。同指数は、ブラジル株の「フリー・フロート(市場で実際に売買される株式。大株主が長期保有し流通しにくい株式を除く)ベースの時価総額」の約85%を、45銘柄でカバーしている。
  • 2026年10月23日時点で、同ファンドの業種構成は金融が37.98%、エネルギーが18.03%、公益事業(電力・ガス・水道などのインフラ)が13.15%、素材(資源・化学など)が10.57%。また、2026年9月30日時点で上位10銘柄の合計比率は56.76%だった。
  • Rio Timesによると、ブラジル大統領選の決選投票(上位候補による再投票)の翌日である2026年10月26日、株価指数のIbovespa(ブラジルの主要株価指数)が13.88%下落し、EWZは19.8%安の34.15米ドルで取引を終えた。
  • iSharesのページに掲載される保有銘柄、業種比率、バリュエーション(株価水準の評価指標。例:PER=株価収益率、PBR=株価純資産倍率など)、52週レンジ(過去52週間の高値・安値)は、2026年10月23日以前のデータであり、この急落前の状況を示している。
  • 同ファンドのリターン(一定期間の値上がり益と分配金を含む収益率)は、2026年9月30日までの1年間で25.44%、2025年は48.19%、2024年は29.93%の損失だった。
  • 同ファンドは資産をレアル建てで保有する一方、価格は米ドル建てで示されるため、レアルの為替変動により、リターンが上振れまたは下振れすることがある。

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iShares MSCI Brazil ETF(EWZ)とは

iShares MSCI Brazil ETFは、ブラジル株式に投資するための上場投資信託(ETF:株式のように取引所で売買できる投資信託)である。投資家から集めた資金でブラジル企業の株式をまとめて保有し、米国の取引所で普通株(議決権など一般的な権利を持つ株式)と同様に売買される。1口(1株)を買うだけで、組み入れ銘柄全体に小口で分散投資でき、ブラジルの取引所に口座を開設する必要がない。

同ファンドはパッシブ運用(指数に連動する運用)で、MSCI Brazil 25/50 Index(Net)(MSCIが算出するブラジル株指数。25/50は特定銘柄への偏りを抑える上限ルール、Netは配当を税引き後で反映する方式)に連動することを目指す。手数料・費用控除前の段階で指数に近い成績を狙うため、保有銘柄は運用担当者の判断ではなく、MSCIが指数を見直したときに入れ替わる。単一国に投資するファンドとして運用期間が長い部類で、設定日は2000年7月10日。

規模が大きく、取引も活発だ。純資産総額(ファンドが保有する資産の時価総額)は2026年10月23日時点で139.6億米ドル、発行口数は3億2,905万口。30日中央値のビッド・アスク・スプレッド(買値と売値の差を示す取引コストの目安)は0.02%、30日平均出来高は1日あたり約5,160万口で、売買の多さが分かる。

この記事のデータはどの時点のものか

ブラジル大統領選の決選投票は2026年10月25日(日)に実施され、翌日に市場は大きく動いた。本稿で使うiSharesのファンドページの数値(純資産総額、保有銘柄数、セクター比率、株価収益率、過去52週レンジなど)は、結果判明前の最終取引日に当たる2026年10月23日付である。月次のファクトシート(運用状況をまとめた資料)の数値は2026年9月30日付。したがって、いずれも急落前の状態を示しており、その後に指数の構成比やバリュエーション(株価水準の割高・割安を示す評価指標)は変化している可能性がある。記事内でより後の数値を用いる場合は、日付と出所を明記する。

EWZの概要

項目内容
ファンド名iShares MSCI Brazil ETF
ティッカーと上場市場EWZ、NYSE Arca(米国のETF取引所)
運用会社ブラックロック(iShares)
連動対象指数MSCI Brazil 25/50 Index(Net)
設定日2000年7月10日
経費率(運用にかかる年率費用)0.59%
純資産総額139.6億米ドル(2026年10月23日)
保有銘柄数46(2026年10月23日)
分配頻度年2回
30日SEC利回り(米SECの算定方式による直近30日の年換算利回り)1.37%(2026年9月30日)
過去12カ月実績利回り(直近1年の分配金ベース)3.94%(2026年9月30日)
株価収益率(PER:株価÷1株当たり利益)12.34(2026年10月23日)
株価純資産倍率(PBR:株価÷1株当たり純資産)2.07(2026年10月23日)

出所:iSharesファンドページ(各数値は表記の日付時点)。

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ブラジル株価指数とは

ブラジルの代表的な株価指数は、サンパウロのB3(ブラジル証券・先物取引所)に上場する時価総額が大きく売買が活発な企業で構成される「イボベスパ指数(Ibovespa)」だ。ブラジル株に関するニュースでは、通常このブラジル株価指数が引用され、表示通貨はレアルとなる。一方、EWZはイボベスパ指数に連動しない。EWZが採用するのは別の指数である「MSCIブラジル25/50指数(MSCI Brazil 25/50 Index)」で、表示通貨は米ドルだ。このため、同じ日でも両者の値動きが異なることがある。

MSCIブラジル25/50指数とは

MSCIブラジル25/50指数は、ブラジル株式市場の大型株・中型株のパフォーマンス(投資成績)を測る指数で、米国の規制下にある投資信託(規制対象の投資会社)が守るべき投資制限を考慮して設計されている。MSCIによれば、ブラジル市場の「浮動株調整後の時価総額」の約85%をカバーする。構成銘柄数は2026年9月30日時点で45銘柄。指数の算出開始(公表開始)は2012年11月22日で、それ以前の期間のリターンは「バックテスト(過去データに当てはめて試算)」により算出されている。

名称の「25/50」は投資制限を指す。米国上場のファンドがブラジル市場に連動する際、特定の1社に保有が集中しすぎたり、上位銘柄群への偏りが大きくなりすぎたりして規制に抵触しないようにするための上限だ。「浮動株調整(フリーフロート調整)」とは、市場で一般投資家が売買できる株式だけを対象にする考え方で、創業者や政府などが保有して市場に出回りにくい株式は指数の計算から除外する。

指数のパフォーマンス

MSCIは指数そのものの成績を公表している。2026年9月30日までの1年間のリターンは、MSCIブラジル25/50指数が26.93%だった。これに対し、MSCI新興国指数(MSCI Emerging Markets Index)は29.65%、世界の幅広い市場の指標(グローバルなベンチマーク)であるMSCI ACWI IMIは17.06%となった。過去10年では、MSCIブラジル25/50指数は年率7.54%で、新興国は年率9.53%、世界は年率12.59%だ。従って直近1年ではブラジルが世界を上回った一方、10年では新興国と世界の両方を下回った。

暦年MSCIブラジル25/50MSCI新興国MSCI ACWI IMI
2021-16.75%-2.22%18.71%
202214.69%-19.74%-18.00%
202333.72%10.27%22.18%
2024-29.33%8.05%16.89%
202550.38%34.36%22.60%

出所:2026年9月30日時点のMSCIファクトシート。リターンは米ドル建てのグロス(手数料控除前)。

この表は、ブラジルの値動きが大きく異なり得ることを示す。新興国と世界がそろって下落した2022年にブラジルは14.69%上昇した一方、新興国と世界が上昇した2024年にはブラジルが29.33%下落し、2025年には50.38%上昇した。この差の一部は、指数が米ドル建てで算出されるため、レアルの為替の動きが影響することにある。

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EWZの保有銘柄は何か

EWZは、ブラジル株を少数の業種(セクター)に絞って組み入れており、数社だけで構成比(ファンド内の比率)の半分超を占める。最大のグループは銀行などの金融関連で、次いでエネルギー、電力(公益事業)、鉱業が続く。

上位10銘柄

銘柄構成比
ヴァーレ(Vale)8.92%
イタウ・ウニバンコ(優先株)8.41%
ヌー・ホールディングス(Nu Holdings)8.06%
ペトロブラス(優先株)7.51%
ペトロブラス(普通株)6.96%
バンコ・ブラデスコ(優先株)3.81%
B3(ブラジルの証券取引所)3.72%
WEG3.20%
Axia Energia3.18%
BTGパクチュアル(BTG Pactual)2.99%
上位10銘柄合計56.76%

出所:iSharesのファクトシート(2026年9月30日現在)。

特徴は2点ある。第1に、ペトロブラスが2回登場しているのは、上場株に2種類(株式クラス)があるためで、両者を合計するとファンドの14.47%を占める。国家が支配する(政府の影響が強い)石油会社であり、単一銘柄として最大の投資対象(エクスポージャー)になっている。第2に、イタウ、ヌー・ホールディングス、ブラデスコ、B3、BTGパクチュアルを含む銀行・金融関連だけで、上位10銘柄の範囲でも合計26.99%に達する。ETFの選び方の解説では、ファンド選定前に上位保有銘柄やセクター別構成比を確認する重要性を説明している。

セクター別構成比

セクター(業種)構成比(2026年10月23日)
金融37.98%
エネルギー18.03%
公益事業(電力など)13.15%
素材(資源・化学など)10.57%
資本財・サービス(産業)8.19%
生活必需品5.01%
一般消費財・サービス2.55%
現金およびデリバティブ(金融派生商品)1.65%
コミュニケーション(通信など)1.60%
ヘルスケア(医療)1.28%

出所:iSharesのファンドページ。

金融、エネルギー、公益事業、素材でファンドの約80%を占める。この構成が、EWZが世界株などの幅広いグローバル型ファンドと異なる値動きになりやすい理由だ。グローバル型ファンドは、テクノロジー、ヘルスケア、消費関連など幅広い業種に分散する一方、EWZは銀行、石油、発電、鉱業に集中している。エネルギーと素材の合計は28.60%で、商品(コモディティ)価格の影響が大きい。さらに銀行の比率が高いため、ブラジルの金利(政策金利など)の影響も同様に大きい。

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EWZはどのように機能するのか?

EWZは、MSCIブラジル25/50指数に連動するようにブラジル株のポートフォリオ(複数銘柄の組み合わせ)を保有し、ファンド運用コスト(保有・管理などにかかる費用)を差し引いた後に、保有株が支払う配当を投資家に分配します。また、EWZの基準価額に相当する価値に応じて、ETFの市場価格(取引所で売買される価格)は上昇・下落します。ファンドの動きを理解するうえで重要な特徴は主に4つあります。

パッシブ運用で、売買回転率が低い

このファンドは、手数料や諸費用を差し引く前の段階で指数(ベンチマーク)に連動することを目指します。そのため、指数の構成が変わると、EWZの保有銘柄もそれに合わせて入れ替わります。経費率(保有コストの年率換算)は0.59%で、保有額が1万米ドルの場合、年間のコストは59米ドルに相当します。

米ドル建てで取引される一方、保有資産はレアル建て

EWZはNYSE Arca(米国の取引所)に上場しており、価格は米ドル建てです。ただし、保有している銘柄の取引通貨はブラジル・レアルです。レアルが米ドルに対して下落(減価)すると、同じブラジル企業の利益でも米ドル換算の価値は小さくなり、逆にレアルが上昇(増価)すると米ドル換算の価値は大きくなります。レアルで収益を得る銀行は通貨安で不利になりやすい一方、鉱山会社など米ドルで稼ぐ輸出企業は恩恵を受ける場合があります。こうした違いが、両者の株価が逆方向に動きやすい理由の1つです。

年2回分配金を支払う

EWZは半年ごと(年2回)に分配(分配金の支払い)を行います。iSharesの記録で直近の分配は、2026年6月15日が権利落ち日(ex-date、分配金を受け取る権利がなくなる取引日)で、1口当たり合計0.330704米ドルでした。2025年12月には、12月16日が権利落ち日で1口当たり1.026785米ドル、12月30日が権利落ち日で1口当たり0.106184米ドルを支払っています。支払額の差が大きいため、分配額は組み入れ企業が支払う配当と、ファンドの費用によって変動します。

利回り(分配金などの収益が価格に対してどの程度かを示す割合)については、次の2つの指標を押さえておくとよいでしょう。

  • 30日SEC利回り:米国証券取引委員会(SEC)の基準に沿って算出される、標準化された利回り指標です。ファンドが保有する資産が生み出す収益から費用を差し引いた後の水準を示します。2026年9月30日時点で1.37%でした。
  • 過去12カ月(直近12カ月)利回り:過去1年間に実際に分配された金額を株価(価格)で割ったものです。2026年9月30日時点で3.94%でした。

いずれの指標も将来の収益を約束するものではなく、分配金があっても株価下落を防ぐものではありません。

市場価格は純資産価額(NAV)とわずかにずれることがある

このファンドは取引所で売買されるため、市場価格(売買される価格)が純資産価額(NAV、1口当たりの保有資産価値)からわずかに乖離(ずれ)することがあります。2026年10月23日時点では、NAVが42.4352米ドル、終値が42.59米ドルで、その差は約0.4%でした。売値と買値の差(ビッド/アスク・スプレッド)が0.02%と小さいことから、通常時の取引コストは低かったとみられます。ただし、市場が不安定な局面ではスプレッドやプレミアム(市場価格がNAVを上回る度合い)が拡大しやすく、急激な1日変動の後などに広がることがあります。

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iShares MSCI Brazil ETFの価格:EWZはどう動いたか

EWZの価格は2026年10月にかけて堅調に上昇した後、選挙後に急落した。本セクションの価格やリターンは、別の日付が示されていない限り、2026年10月時点で取得した。

iSharesによると、2026年10月23日の終値は42.59米ドル、NAV(純資産価値:保有資産から負債を差し引いた、ファンド1口当たりの理論値)は42.4352米ドルだった。同日時点でファンドページに記載の52週レンジ(過去52週間の高値・安値の範囲)は30.47〜43.53米ドルで、ファンドはレンジ上限に近い水準で取引されていた。2026年10月23日までの1年間のNAVベースのトータルリターン(価格変動に分配金などの再投資効果を含めた総合収益)は34.62%で、この数値も選挙結果の前のものだ。

選挙後、EWZはどうなったか

ブラジルは2026年10月25日(日)に大統領選の決選投票を実施し、10月26日(月)の市場反応はここ数年でも最大級のものとなった。以下の事実は、記名のニュース報道に基づき出所を明記しており、本記事は政治的な結果について立場を取らない。

  • 結果:Invezzは、ルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ氏が決選投票で51.8%を得て再選したと報じた。また、その挑戦者であるフラビオ・ボルソナロ氏は10月4日の第1回投票で先行していたとも伝えた。Invezzはさらに、フラビオ・ボルソナロ氏が結果を受け入れていないとも報じた。
  • イボベスパ:The Rio Timesは、ブラジル株価指数が10月26日に176,608で引け、金曜日の205,082.56から13.88%下落したと報じ、2020年3月以来の1日最大の下落だとした。サーキットブレーカー(急落時に取引を一時停止する制度)により取引は2020年3月以来初めて停止され、指数は日中安値169,516(17.34%安)まで下げた。
  • 通貨:同じ報道によれば、ドルは終値で1ドル=約5.41レアルとなり、金曜日の4.99から約8.4%上昇した。日中には5.60まで上昇(レアル安)する場面もあった。
  • EWZ:The Rio Timesは、EWZが19.8%安の34.15米ドルで引けたと報じた。Invezzは、プレマーケット(米国市場の時間外取引)で27%超下落したと伝え、Yahoo Financeは正午ごろに33.34米ドルで21.72%安だったと報じており、日中の値幅は大きかった。
  • 勝ち組と負け組:The Rio Timesは、イタウ・ウニバンコが2桁下落し、ペトロブラスは約8%下落した一方、ヴァーレは約4%上昇し、パルプ生産のスザノは約10%上昇したと報じた。レアル安により輸出企業が恩恵を受けたためだという。
  • 10月27日:Trading Economicsは、前日の下落を受け、イボベスパがさらに0.5%下げて約175,710になったと報じた。

報道では、動きが大きくなった理由がいくつか挙げられている。Invezzは、ボベスパ指数が前週金曜の引け時点で第1回投票前の水準をほぼ7%上回り、レアルも約5%上昇していたため、多くの投資家が別の結果を想定したポジションを持っており、それを解消(保有の巻き戻し)する必要があったと指摘した。Yahoo Financeは、予測市場(賭けや取引価格から選挙確率を推計する市場)や世論調査が投票前にフラビオ・ボルソナロ氏を優勢としていたと報じ、ルラ氏の勝利によってブラジルの財政見通し(財政運営の先行き)や利下げ(政策金利の引き下げ)のペースに対する疑念が強まったと伝えた。

終値34.15米ドル時点で、EWZは52週安値の30.47米ドルを約12%上回り、10月23日時点でファンドページに示された52週高値43.53米ドルを約22%下回っていた。これらは報道された数値であり、ファンドは米ドル建てで価格が付くため指数(現地市場の指標)と値動きが異なる場合がある。株式市場のクラッシュ(暴落)の意味のガイドは、大きな1日下落が起きる仕組みを説明している。また、パニック売り(恐怖による投げ売り)とFOMO(取り残されることへの不安)に関するガイドは、感情が下落を増幅しうる点を扱っている。

EWZの期間別リターン

期間(2026年9月30日時点)ファンドのトータルリターン(NAV)ファンドのトータルリターン(市場価格)指数のトータルリターン
1年25.44%25.67%26.22%
3年(年率)12.93%13.11%13.53%
5年(年率)11.28%11.42%12.10%
10年(年率)6.38%6.37%7.14%
設定来(年率)6.25%6.24%表示なし

出所:iShares。過去の実績は将来の成果を示すものではない。

表示されたすべての期間で指数がファンドを上回っており、年当たりで0.78、0.60、0.82、0.76ポイントの差となっている。これは経費率(運用・管理にかかる年間コストの割合)0.59%をやや上回る。これらの数値は9月30日までの計測であり、10月26日の下落は含まれていない。1日だけでも長期の数字に影響し得ることは、1セッションで約20%下げた事実が示している。

暦年ベースのリターン

年ファンド(NAV)指数
2021-17.61%-16.96%
202213.23%14.24%
202331.78%33.05%
2024-29.93%-29.63%
202548.19%49.68%

出所:2026年9月30日時点のiSharesファクトシート。

2021年と2024年という大きな下落の年の後に、力強い上昇の年が続いた。2025年初に購入した保有者は年末までに非常に大きな利益を得た一方、2024年初に購入した保有者は、その上昇が来る前に約30%の損失を経験した。この並びは、単一国の新興国ファンド(特定の国に集中投資する新興国ファンド)が値動きが大きい(ボラティリティが高い)と見なされる理由をよく示している。

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EWZの価格に影響する要因は?

EWZの価格は、投資家がブラジル企業(ブラジルに上場する企業)の価値をどう評価するかを変えるあらゆる要因と、ブラジル通貨レアル(BRL)の価値に反応する。値動きの大半は、主に6つの要因で説明できる。

要因EWZへの影響の仕方
財政政策と政治政府支出と債務(借金)への懸念は、国債利回り(国債の金利)を押し上げ、レアル安を招き、株価を下押しし得る。10月26日の反応がその例だ
金利中央銀行の政策金利(景気や物価を調整するための基準となる金利)は、銀行の利益や、ファンドに含まれるすべての銘柄の評価(株価の割高・割安判断)に影響する
ブラジル・レアルレアル安になると、レアル建ての株価が変わらなくても、ファンドの保有資産の米ドル換算価値が下がる
原油価格ペトロブラス(Petrobras)がファンドの14.47%を占めていたため、原油価格や燃料価格の設定(政府・企業の価格決定)が影響する
金属・商品需要ヴァーレ(Vale)などの輸出企業は、世界需要、特に中国からの需要に反応する
世界のリスク選好世界の市場がリスク回避(安全資産を選ぶ動き)に傾くと、海外投資家は新興国市場を優先的に売ることが多い

これらは単独では作用しない。例えば、レアル安は輸出企業の利益を押し上げる一方で、銀行の利益やファンドの米ドル換算価値を押し下げ得る。また、利下げは銀行株を押し上げる一方で、通貨安を招く場合がある。原油を追う投資家は、原油価格に影響する要因の解説を参照できる。

金利と中央銀行

Rio Timesは10月26日、ブラジルの政策金利であるセリック金利(Selic、中央銀行が誘導する代表的な短期金利)が13.75%で、中央銀行の次回の金融政策会合が11月3日・4日に予定され、決定は11月4日に公表される予定だと報じた。選挙後の報道では、利下げ(政策金利を下げること)のペースが鈍るのかが焦点となった。Yahoo Financeによれば、ジュバルチ・キャピタル(Jubarte Capital)のエコノミスト、ベンジャミン・マンデル氏は投票前、政府がより信頼できる財政枠組み(歳出・歳入や債務管理のルール)を示すまで、利下げ局面(利下げが続く局面)は「停止する可能性が高い」と述べたという。これらは意見であり予測ではない。中央銀行は独自の判断で政策を決定する。トレーダーが中央銀行のシグナル(発言や見通し)をどう読み取るかは、金利見通し(将来の金利予想)の取引方法の解説が参考になる。

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EWZのバリュエーション:このファンドはどう比較できるか

EWZのバリュエーション指標(株価水準を利益や純資産と比べる倍率)は選挙前時点では控えめだった。ただし、倍率だけでは将来の価格動向を示すサインにはならない。iSharesによれば、2026年10月23日時点で同ファンドのPER(株価収益率:株価を利益で割った倍率)は12.34倍、PBR(株価純資産倍率:株価を純資産で割った倍率)は2.07倍だった。2026年9月30日付の月次ファクトシートでは、それぞれ11.10倍、1.85倍であり、10月にかけて価格が上昇するなかで、数週間のうちに両倍率とも上昇した。

これらの数値は10月26日の下落より前のものだ。企業利益に変化がないままファンド価格が約20%下落すれば、PERもおおむね同程度の割合で低下する。ただし、急変後は利益予想(将来の利益見通し)が変わる可能性もある。さらに、通貨が大きく振れる市場では倍率は誤解を招きやすい。ブラジル・レアルが弱くなると、利益(現地通貨ベース)と米ドル建ての価格の両方が変化し得るためだ。バリュエーションを比較する投資家は通常、実績ベース(過去の利益に基づく)と予想ベース(将来の利益予想に基づく)の両方の数値に加え、利益予想の方向(上方修正か下方修正か)と、どの通貨建てで測っているかを確認する。

リターン(投資収益率)のデータも状況理解に役立つ。2026年9月30日までの1年間では、MSCI Brazil 25/50 Index(ブラジル株指数)は26.93%のリターンだった一方、MSCI Emerging Markets Index(新興国株指数)は29.65%だった。しかし10年間では、ブラジルは年率7.54%に対し、新興国は年率9.53%だった。つまり、ブラジルの直近の上昇は、長期にわたる相対的に低いリターンの局面と並存している。

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EWZの見通し:強気派と弱気派は何を語るか

EWZの価格がどこへ向かうかを正確に予測することは誰にもできず、ブラジル株をめぐる議論には強気・弱気の両面がある。本節では、2026年10月時点で報じられた、アナリストや投資家がそれぞれの立場で挙げる主な論点を整理する。ここにある内容はいずれも将来の予測ではない。

強気の根拠

  • 割安なバリュエーション(評価): 10月23日(下落前)時点のファンドのPER(株価収益率:株価が利益の何倍かを示す指標)は12.34倍と相対的に低めで、支持する側はこれを「安全余裕(下振れに対する緩衝)」と捉えている。
  • 財政運営の計画: Invezzによると、政府の見通しでは2030年までに基礎的収支(利払い前の財政収支)がGDP比1.3%の黒字(プライマリー・サープラス)になるとされる。またジェラルド・アルキミン氏は、選挙資金や公務員給与を歳出削減(節約)の対象として挙げた。支持する側は、財政健全化(財政の引き締め)へ進む道筋の兆しだとみている。
  • 輸出企業とレアル安: Rio Timesは、レアル(ブラジル通貨)が下落した10月26日にヴァーレ(Vale)とスザノ(Suzano)が上昇したと報じた。支持する側は、通貨安がドル建て収益(米ドルで見た利益)を下支えし得ると主張する。
  • インカム(分配): 2026年9月30日時点の過去12カ月の利回り(直近1年の分配金などを基にした利回り)は3.94%だった。

弱気の根拠

  • 財政への疑念: Invezzによると、アバディーン・インベストメンツのビクター・サボ氏は、財政健全化(財政の引き締め)のスピードと規模が債券投資家にとって主要な懸念だと述べ、政府のグロス(総)債務をGDP比約83%とした。INGのクリス・ターナー氏は、財政赤字(歳入より歳出が多い状態)がGDP比7〜8%、ネット(純)債務(金融資産を差し引いた実質的な債務)が約70%と指摘した。
  • 投資家心理(センチメント): Invezzによると、UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのアレホ・チェルウォンコ氏は、第1回投票後の上昇はおおむね株価に織り込まれ(反映され)ており、明確な財政計画が示されるまで投資家心理は弱いままだろうとみていた。
  • 利下げペースの鈍化: ジュバルテ・キャピタルのベンジャミン・マンデル氏などのエコノミストは、財政の枠組み(財政ルール)がより信頼できるものになる(実現性が高いと評価される)まで、利下げが止まる可能性があると警告している。
  • 改革への期待が限定的: Invezzが引用したゴールドマン・サックスのアナリストは、歳出抑制に向けた対策は小幅にとどまり、増税がさらに行われると予想した。また、大規模な構造改革(制度や経済構造を変える改革)は実現しにくいとの見方を示した。
  • 変動性(ボラティリティ): ファンドが1日で19.8%下落し、指数が13.88%下落したことは、価格がどれほど急速に動き得るかを示している。

強気・弱気のいずれの見方も、局面によっては正しくなり得る。そのためEWZは、一般的に「ブラジルへの投資エクスポージャー(投資対象への連動度合い)を、特定の見通しのもとで得るための手段」と説明され、標準の保有対象(デフォルトの中核保有)とは位置づけられにくい。

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EWZ ETFのリスク

EWZには、株式ファンド(株式に投資する投資信託・上場投資信託)に共通するリスクに加え、新興国(先進国より市場の成熟度が低く、景気や資金の出入りが大きくなりやすい国)の単一市場に集中する固有のリスクがあります。ここでは、iSharesのファンド情報と一般的な開示資料(目論見書など)に基づき、主なリスクを整理します。

リスク意味(投資家への影響)
単一国リスク投資先がブラジルのみに集中しているため、国内の政治・財政(政府の収支や債務)・景気のショックがポートフォリオ(保有資産の組み合わせ)全体に直接影響します
政治・政策リスク選挙結果、歳出(政府支出)の計画、税制変更が価格を短期間で大きく動かすことがあります。10月26日に起きた1日での下落が、その例です
通貨リスクファンドはブラジル・レアル建ての資産(現地通貨で価値が決まる資産)を保有し、商品は米ドルで取引されます。そのため、レアル安になると、米ドル建てで評価する投資家のリターン(収益)が押し下げられる可能性があります
セクター集中2026年10月23日時点で、金融、エネルギー、公益事業(電力・ガスなどの公共サービス)、素材(鉄鋼・鉱業など)がファンドの約80%を占めていました
商品(コモディティ)リスクエネルギーと素材がファンドの28.60%を占めており、原油や金属価格の変動が影響します
上位10銘柄への集中2026年9月30日時点で、上位10銘柄がファンドの56.76%を占め、Petrobras(ペトロブラス)の2種類の株式クラス(同社の異なる種類の株)が14.47%を占めていました
価格変動(ボラティリティ)2026年9月30日時点(10月26日の下落前)の3年標準偏差(リターンの振れ幅を示す指標)は22.85%でした。なお、同ファンドは2024年に29.93%下落しました
新興国リスク新興国市場は先進国市場より価格変動が大きく、流動性(売買のしやすさ)が低いことがあります。また、海外投資資金の急激な流出が起きる場合があります
市場取引リスク市場でのETF価格がNAV(純資産価値:保有資産を時価で評価した1口当たりの価値)と一致しないことがあります。市場が不安定な局面ではスプレッド(売値と買値の差)が拡大し、さらに売買手数料(証券会社のコミッション)がリターンを押し下げます

このファンドは元本保証や保険の対象ではなく、価格が下落して損失が生じる可能性があります。2026年9月30日時点のS&P 500に対する3年ベータ(市場指数の動きに対してどの程度連動して動くかを示す指標)は0.27でした。これは米国株と比べて連動性が高くないことを意味しますが、低リスクと解釈すべきではありません。

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EWZと他のブラジルETFの比較

EWZはブラジル株式に投資する方法の一つであり、同種のファンドは複数あります。各ファンドは、コスト(信託報酬)、投資対象の広さ(組入銘柄数や分散度合い)、レバレッジ(借入などで投資効果を増幅する仕組み)の有無が異なります。比較することで、EWZが「何に投資する商品」で「何ではないのか」が分かります。

ファンド指数(インデックス)または運用目標信託報酬(経費率)EWZとの違い
iShares MSCI Brazil ETF(EWZ)MSCI Brazil 25/50指数(ネット)0.59%46銘柄。大型株・中型株が中心
Franklin FTSE Brazil ETF(FLBR)FTSE Brazil RIC Capped指数0.19%71銘柄でコストが低い。主要構成はPetrobras(ペトロブラス)16.90%、Itaú(イタウ)10.57%、Vale(ヴァーレ)10.01%
iShares MSCI Brazil Small-Cap ETF(EWZS)MSCI Brazil Small Cap指数(ネット)0.59%小型株67銘柄。2026年9月30日までの1年のNAV(純資産価額)リターンは-0.73%
Direxion Daily MSCI Brazil Bull 2X Shares(BRZU)MSCI Brazil 25/50指数の日次(1日)の値動きの200%1.32%レバレッジ型で、日次でリセット(毎日目標倍率に調整)されるため、保有期間は短期向けの設計

出所:iShares、Franklin Templeton、Direxion(2026年10月時点)。FLBRとEWZSのデータは2026年9月30日時点。

FLBRは別の指数に連動し、より多くの株式を保有し、信託報酬も低い一方で、上位構成銘柄は同じ大手企業が中心です。したがって、コスト差は「価格(信託報酬)」と「広さ(分散)」の違いであり、投資対象(エクスポージャー、どの市場・銘柄にどれだけ投資しているか)が別物というほどではありません。EWZSは、ブラジルの小型株(時価総額が小さい企業)部分がどれほど異なるかを示します。2026年9月30日までの同じ期間で見ると、EWZSの1年リターンは-0.73%で、EWZの25.44%と対照的です。BRZUは別カテゴリーです。EWZと同じ指数の日次の値動きを2倍にすることを目標としていますが、日次でリセットされるため、Direxionは「1日を超える期間では、指数のリターンの2倍になることは期待すべきではない」としています。レバレッジETF(例:TQQQのような商品)の仕組みを解説したレバレッジETF(TQQQなど)はどう動くのかでは、日次リセットと、ボラティリティ(価格変動)が大きい局面で収益率が目標倍率からずれやすくなる現象(一般に「ボラティリティ・ディケイ」と呼ばれる)を詳しく説明しており、同じ仕組みがここでも当てはまります。

新興国(エマージング)ファンドを比較する人は、別の単一国iSharesファンドがどのように設計されているかが分かるiShares MSCI India ETFのガイドも参照できます。

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EWZ ETFのメリットとデメリット

EWZは、ブラジル市場に直接かつ流動性高くアクセスできる。一方で、特定の1カ国と少数のセクター(業種)に集中していることが、主なリスクにもなる。

メリットデメリット
米国上場の1つのティッカー(銘柄コード)でブラジル企業に投資できるFLBRの経費率0.19%よりコストが高い(経費率=運用管理費などの年率コスト)
規模が大きく流動性が高い(売買が成立しやすい)。中央値のビッド/アスク・スプレッドは0.02%(買値と売値の差=実質的な取引コスト)1カ国、1通貨(ブラジル・レアル)、少数のセクターへの集中
2026年9月30日までの過去1年・3年・5年で高いリターン値動きが非常に大きい。10月26日には1日で19.8%下落したこともある
ブラジルの銀行株や、資源(コモディティ)輸出企業に対する見通し(相場観)を反映させる手段になる金融、エネルギー、公益(電力・ガスなど)、素材でファンドの約80%を占める(分散が効きにくい)
直接アクセスしにくい市場に46銘柄で投資できる(保有銘柄数=分散の度合いの一つ)政治リスク、財政リスク、通貨リスク
年2回の分配(半年ごとに分配金が支払われる)分配額の変動が大きく、支払いごとに水準が大きく変わる

EWZ ETFは良い投資先か

EWZが投資家に適しているかどうかは、投資目的、投資期間(どれだけ長く保有するか)、ブラジルに対する見方によって変わるため、答えは一つではない。賛否それぞれの論点は広く知られている。

支持する側は、実績とバリュエーション(株価の割安・割高を示す指標水準)を挙げる。2026年9月30日までの1年リターン25.44%、5年の年率換算リターン11.28%は、ブラジル株が大きく上昇したことを示す。また、低い倍率(株価指標であるPERなど)と高い利回り(配当利回りなど)が、政治リスクの見返りとして投資家を補うと主張する。

批判する側は、ボラティリティ(価格変動の大きさ)と政策リスクを指摘する。2024年に29.93%下落し、10月26日には1日で約20%下落したことは、ファンドの価値が短期間で大きく減る可能性を示す。さらに、財政(政府の歳入・歳出)や通貨(レアル)への圧力は長期化し得るという。

どちらの見方も、時期によって正しくなり得る。だからこそ、多くの投資家はブラジルファンドを、資産の中心(コア)ではなく、小さめのサテライト(補助的な保有)として扱う。

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EWZ ETFが関連しやすいのはどのような人か

EWZ ETFは、主に次の3タイプの市場参加者(投資家やトレーダーなど)から注目されやすい:

  • ブラジル相場について見通しを持つ投資家。 銀行株、石油会社、鉱山会社といった主要銘柄を保有するこのファンドは、ブラジルの景気(経済成長)、金利、コモディティ(原油・鉄鉱石などの資源価格)の動きに対する見方を、直接ポジションとして表しやすい。現物としてファンドを保有する方法に加え、デリバティブ(先物やオプションなどの派生商品)を使って反対売買(下落を見込むポジション)を取ることもできる。
  • 新興国(エマージング)への投資比率を組み立てたい投資家。 単一国に投資するファンドを使い、より広い保有資産にブラジルを組み入れる投資家もいる。1本のファンドの組入比率(ウェイト)は大きく変動しやすいため、時間の経過とともに保有額を調整する方法は、ETFポートフォリオのリバランス(資産配分の調整)方法のガイドが参考になる。
  • イベントリスクを追うトレーダー。 短期のトレーダーは、新興国に対する市場心理(センチメント)を測る指標として、このファンドを注視することがある。特に、選挙、中央銀行会合、コモディティ価格の急変動の局面で注目されやすい。市場が下落する理由のガイドでは、売り(相場の急落)の主な要因を解説している。

一方、今後数年で資産の安定性を重視する人、1日または1年で20%以上の下落に耐えられない人、安定した収入(分配金など)を予想したい人には、適しにくい。判断に迷う場合は、独立系のファイナンシャル・アドバイザー(特定の金融機関に偏らない立場の資産相談専門家)に相談したい。

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ブラジル株式に投資エクスポージャーを持つ方法

MSCIブラジル25/50指数が示す市場にポジション(投資や取引による持ち高)を持つ方法は大きく2つある。指数に連動するファンドを買う方法と、関連する金融商品(原資産)の価格に連動するデリバティブ(金融派生商品)を取引する方法だ。仕組みとリスクはそれぞれ異なる。一般的な手順は次のとおり。

ステップ1:何へのエクスポージャーを求めるかを決める

目的が、ブラジル株(ブラジル企業の株式)を数年単位で保有することなのか、数日〜数週間で市場方向性を狙う投機(値動きから利益を狙う取引)なのか、既存のポートフォリオ(保有資産の組み合わせ)の調整なのかを決める。答えによって適切な商品は変わり、負うリスクの大きさも変わる。

ステップ2:ファンドかデリバティブかを選ぶ

EWZを保有するとは、証券会社を通じて株式(ファンドの口数に相当する持分)を購入し、ファンドを保有することを意味する。価格変動の影響を受け、分配金(ファンドが投資家に支払う収益の分配)も受け取る。一方、差金決済取引(CFD)は仕組みが異なる。資産を保有せずに価格変動を取引でき、トレーダーはロング(買い持ち)またはショート(売り持ち)のどちらでも取れる。

ステップ3:取扱業者が実際に提供している商品を確認する

すべての業者がすべてのファンドを取り扱うわけではないため、ポジションを持つ前に確認しておきたい。VT Marketsは、iShares MSCIエマージング・マーケッツETF(EEM)を含む幅広いファンドのETFのCFDを提供しており、株式(口数)を保有せずにファンド価格の値動きを取引できる。ただし、新興国全体に分散投資する広範な新興国ファンドは、EWZと同じ動きにはならない。多くの国に資金を分散し、ブラジル株はその一部として保有するにすぎないためだ。

ステップ4:規制下の業者を選ぶ

自分に適用される法域において、業者が金融規制当局から認可(登録・免許)を受けているかを確認し、手数料、証拠金(取引に必要な担保資金)、オーバーナイト・ファイナンス(翌日に持ち越す際に発生する金利相当の費用・収益)の条件を読む。

ステップ5:ポジションを持つ前にリスク計画を立てる

ブラジル株式は、選挙結果、財政ニュース、通貨変動(為替の大きな動き)で急変しやすい。急激な変動時には、10月26日のように取引が一時停止(売買停止)されることもある。事前に、どれだけの資金がリスクにさらされるか、逆方向に動いた場合にどこで決済(ポジションを閉じること)するか、そしてレバレッジ(少ない証拠金で大きな金額を取引する仕組み)が結果にどう影響するかを決めておく。レバレッジは利益だけでなく損失も拡大し、CFD取引では損失が当初の入金額(預け入れた資金)を上回る場合がある。

ステップ6:データを継続的に追う

EWZは、政治・財政ニュース、中央銀行の決定、商品(コモディティ)価格、レアル(ブラジル通貨)に反応する。これらのイベントのカレンダーを用意すると、特定の日にファンドが動いた理由を理解しやすい。

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EWZを追跡するためのポイント

  • すべての数値の「日付」を確認する。 iSharesのファンドページ(ファンド情報ページ)は日次で更新され、ファクトシート(主要情報をまとめた資料)は月次更新です。そのため、組入銘柄、利回り(配当などの収益率)、バリュエーション(株価指標に基づく割高・割安の水準)、リターンには表示されている日付が付き、多くは10月26日の急落より前のデータです。
  • 株価だけでなくレアルも見る。 米ドル建て(価格が米ドルで表示される)ファンドは、ブラジル株が横ばいでも、(ブラジル通貨の)レアルが十分に下落すると基準価額が下がることがあります。
  • 上位組入銘柄を追う。 ヴァーレ、イタウ、ヌー・ホールディングス、ペトロブラスの2種類の株式クラス(同一企業の株式でも権利が異なる種類株)で、2026年9月30日時点でファンドの約40%を占めていました。これらの決算(業績発表)やニュースが、ファンドの値動きの大部分を説明します。
  • 日程を意識する。 ブラジル中央銀行は2026年11月3日と4日に会合を開きます。金融政策(政策金利などの決定)は銀行株、レアル、そして市場全体を動かすことがあります。
  • 価格リターンとトータルリターンを分けて考える。 半年ごとの分配金(保有していると受け取れる現金の支払い)がリターンに上乗せされるため、トータルリターン(値上がり益+分配金などを含む総合的な収益率)の数値は、価格チャート(分配金を含まない価格の推移)と照らして比較してください。
  • 予測は慎重に扱う。 ブラジル株の見通しは、財政政策(政府の歳出・税制)、金利、商品市況(資源価格)、レアル相場の見通しに依存しますが、いずれも長期では予測の精度が低い傾向があります。

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結論

iShares MSCI Brazil ETFは、MSCIブラジル25/50指数(大型株・中型株で構成するブラジル株指数。発行体や銘柄への投資比率が特定に偏らないよう、上位構成の比率に上限を設ける仕組みを採用)を通じて、ブラジルの大型株・中型株に投資できるパッシブ運用(指数に連動することを目的とし、銘柄選別で市場平均を上回ることを狙わない運用)のETFである。2026年10月23日時点の組入銘柄数は46、経費率(保有中に毎年かかる運用・管理コスト)は0.59%、分配金は年2回支払われる。構成の約80%は、金融、エネルギー、公益事業、素材に集中している。価格は10月23日に42.59米ドルで引け、52週レンジ(過去52週間の高値・安値の範囲)の上限近辺に位置していたが、大統領選決選投票後の10月26日に19.8%下落し、34.15米ドルとなった。

このファンドとMSCIブラジル25/50指数の関係、そして財政政策(政府の歳出・歳入や財政運営の方針)、金利(政策金利や市場金利。資金調達コストや株式の評価に影響)、コモディティ(原油や鉄鉱石などの資源価格。資源輸出国の企業収益に直結)、レアル(ブラジルの通貨。為替の変動が国内企業の利益や外貨建て投資収益に影響)を動かす要因を理解することが、活用や分析の土台となる。同じ理解は、ETF CFD(差金決済取引。ETFそのものを保有せず、価格変動による差額のみを受け渡す取引)を含む、ブラジル株式に連動するあらゆる金融商品に当てはまる。

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VT Marketsで、新興国市場の値動きを今日から取引

VT Marketsでは、ETFのCFD(差金決済取引:現物を受け渡しせず、価格差だけを現金で決済する取引)を、FX(外国為替)、株価指数、貴金属、債券、株式CFD(株式を対象にした差金決済取引)とあわせて提供しています。世界的な投資テーマを追うトレーダーは、1つの口座で運用できます。注文はVT Marketsアプリ、MetaTrader 4、MetaTrader 5から発注可能で、急変しやすい市場を追跡するためのチャート機能も備えています。

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EWZ:よくある質問(FAQ)

EWZとは?

EWZは「iShares MSCI Brazil ETF」のティッカー(取引コード)です。MSCIブラジル25/50指数に連動するETF(上場投資信託)で、ブラジルの大型株・中型株で構成されます。米国の取引所NYSE Arcaで米ドル建てで売買され、2026年10月23日時点の保有銘柄数は46、経費率(運用管理費用の比率)は0.59%です。MSCIブラジル25/50指数とは、特定の大型銘柄に偏りすぎないよう、組入比率に上限(キャップ)を設けた株価指数です。

EWZは2026年10月26日に、なぜ下落したのですか?

ブラジル大統領選の決選投票が10月25日に行われ、ルラ氏が再選しました。The Rio Timesは、多くの投資家が別の結果を想定してポジション(事前の持ち高)を構築していたと報道しました。また、Ibovespa(イボベスパ:ブラジルの株式市場B3に上場する主要銘柄で構成される代表的な株価指数)が13.88%下落し、レアル(ブラジルの通貨)が1ドル=約5.41レアルまで下落(対ドルで通貨安)し、EWZは34.15ドルで19.8%安で引けたとしています。報道で引用されたアナリストは、ブラジルの財政見通し(政府の収支・債務の持続性)への懸念と、利下げ(政策金利の引き下げ)の進み方への不透明感を要因に挙げました。

EWZ(ETF)は配当を支払いますか?

EWZは年2回、分配金(ETFが保有する株式から受け取った配当金などから、信託報酬などの費用を差し引いて投資家に支払うお金)を支払います。ファンド記録上の直近の分配は、2026年6月15日が権利落ち日(分配金を受け取る権利がなくなる日、Ex-date)で、1口当たり0.330704ドルでした。分配額は変動し、分配金が支払われても、ETFの価格下落を防ぐものではありません。

EWZとFLBRの違いは何ですか?

どちらもブラジル株式への投資機会を提供しますが、連動する指数とコストが異なります。EWZはMSCIブラジル25/50指数に連動し、保有銘柄数は46、経費率は0.59%。一方、FLBRはFTSEブラジルRICキャップ指数に連動し、2026年9月30日時点の保有銘柄数は71、経費率は0.19%です。ここでいう「キャップ」は、特定銘柄の比率が大きくなりすぎないよう上限を設ける仕組みを指します。

EWZはIbovespaと同じですか?

同じではありません。Ibovespaは、ブラジルのB3(ブラジルの主要証券取引所)に上場する大企業の動きを示すベンチマーク指数(市場全体の代表指標)で、レアル建てです。一方、EWZはMSCIブラジル25/50指数に連動し、米ドル建てです。両者は大型銘柄が共通して多いため同じ方向に動きやすい一方、収益率(リターン)は一致しません。加えてEWZは、レアルの変動(対ドルの為替)にも左右されます。

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情報源


リスク警告:差金決済取引(CFD=実際の資産を保有せず、価格変動の差額だけをやり取りする取引)の取引は高いリスクを伴い、すべての投資家に適しているとは限りません。レバレッジ(証拠金を担保に、より大きな取引額を動かす仕組み)により利益と損失が大きく拡大し、当初の投資額(預け入れた証拠金)を上回る損失が生じる場合があります。CFD取引を行う前に、リスクを十分に理解したうえで、投資目的、財務状況、経験水準を慎重に検討し、必要に応じて独立した助言を受けてください。過去の実績は将来の成果を保証しません。CFD取引に伴うリスクの全体像については、当社の法的文書をご確認ください。

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