
ポイント
- 中東情勢の緊迫化で、暗号資産(仮想通貨)など「リスク資産(景気や地政学の影響を受けやすい資産)」への投資意欲が後退している。
- 価格はおよそ79,400ドル付近から反発したが、「心理的節目(多くの投資家が意識しやすい丸い水準)」である80,000ドルは依然として下回る。
- 米国の現物ビットコインETF(上場投資信託:取引所で売買でき、ビットコインの現物価格に連動しやすい商品)は、10月23日までの週におよそ3億1百万ドルの純流入を記録。週後半に資金流出があったものの、週間ではプラスとなった。
- 目先のチャート上の上値抵抗線(レジスタンス:上昇が止まりやすい水準)は79,800ドル近辺。より広い戻りの目安は81,500~82,500ドル。
- 今後の焦点は、FRB(米連邦準備制度理事会)の10月28日の金融政策判断と、中東情勢の動向。
市場の動き
ビットコインは週末に80,000ドルを割り込んだ後も上値が重い。中東情勢への懸念が再燃し、米国が同地域で避難を進めているとの報道も出たことで、市場全体の不透明感が強まった。
直近の取引ではBTCUSDは79,773.11ドルで推移し、79,400ドル近辺から反発した。価格は「9期間移動平均(直近9本の価格の平均で、短期の方向感を見る指標)」を上回り、上昇が止まりやすかった79,800ドルに接近している。次の焦点に進むには、まず80,000ドルを回復する必要がある。
トレーダーが注目する理由
中東の地政学リスクの高まりを受け、暗号資産は他のリスク資産と同様に売り圧力を受けた。エネルギー価格の上昇も先行きを複雑にする。物価上昇(インフレ)への警戒が強まれば、「政策金利(中央銀行が景気や物価を調整するために設定する金利)」が高水準で長く続くとの見方が広がり、ビットコインには逆風になりうる。
一方で、ビットコインへの需要は依然強い。米国の現物ビットコインETFは10月23日までの週に約3億1百万ドルの純流入となり、2週連続の純流出に歯止めがかかった。ただし週間のプラスには、木曜に約6億3,560万ドル、金曜に約1億3,790万ドルの流出も含まれる。資金流入が継続するかが次の焦点だ。
主な売買水準
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| 水準 | 役割 | 意味合い |
| $84,000 | 広い意味での上値抵抗 | 戻り局面で意識されやすい上限の目安。 |
| $81,500–$82,500 | 広い意味での上値抵抗ゾーン | 戻りが勢いを増すかを見極める領域。 |
| $80,700–$80,730 | 当日目安 | 表示されている高値$80,729.72を含む。 |
| $80,000 | 心理的節目 | 以前は下値支持線(サポート:下げ止まりやすい水準)。いまは回復が必要な基準。 |
| $79,800 | 目先の上値抵抗 | 1分足(短期の値動きを示すチャート)で高値が繰り返し見られる水準。 |
| $79,600 | 初期サポート | 直近反発の中で形成された短期のもみ合い領域。 |
| $79,350–$79,400 | 局所サポートゾーン | 表示されている安値$79,356.94を含む。 |
| $78,000 | 下方向の広い目安 | チャート表示範囲の外側で次に意識される水準。 |
直近の上値抵抗は79,800ドル付近で、上昇が止まりやすかった。心理的節目の80,000ドルは、以前はサポートとして意識されており、重要な基準となる。上抜けた場合、当日高値80,729.72ドル周辺に当たる80,700~80,730ドルが次の焦点だ。
上値の広い抵抗ゾーンは81,500~82,500ドルで、さらに上では84,000ドルが大きな壁となる。下値はまず79,600ドル前後が目安で、直近反発のもみ合い領域にあたる。79,350~79,400ドルは表示安値79,356.94ドルを含み、反発の起点として意識される。さらに下では78,000ドルが下方向の広い目安となる。
強気・弱気の想定シナリオ

| シナリオ | 確認条件 | 注目水準 |
| 強気の戻り | $80,000を明確に上回る動きが続き、その後の押し目で下げ止まる(リテスト:一度超えた水準を再度試す動き) | $80,700–$80,730、その後$81,500–$82,500 |
| 強気の上伸 | $82,500を上抜け、より長い時間軸(上位足:例として1時間足や日足など)でも維持 | $84,000 |
| 弱気の続落 | $80,000の下で戻りが止まり、さらに$79,350を明確に割り込む動きが続く | $78,000 |
強気シナリオでは、買い手が反発を一過性で終わらせず、戻り基調を維持できるかがポイントとなる。特に80,000ドルを上回って推移できれば、強気見通しを後押しする。
弱気シナリオは、戻りが失速し、売り手が日中安値を割り込ませた場合に強まる。すでに80,000ドルを下回っているため、同水準の下での推移だけではシグナルは弱く、サポートの明確な下抜けが確認材料となる。
免責事項
上記の価格水準とシナリオは執筆時点の筆者見解であり、投資助言ではなく、VT Marketsの公式推奨でもない。取引にあたっては自ら分析を行い、損失リスク(想定外の値動きで損失が発生する可能性)を十分に管理したい。
ビットコイン見通し:次はどうなる?
中東情勢の沈静化、ETFへの継続的な資金流入、FRBの引き締め色が弱まる見通し(金融政策を厳しくしない方向の示唆)がそろえば、ビットコインの回復を支え得る。反対に、地政学リスクの一段の高まり、ETFからの資金流出再開、米国債利回り(米国債の投資収益率)の上昇があれば、価格の重しになりやすい。
次の材料はFRBの10月27~28日の会合で、政策判断は水曜日に示される予定だ。ビットコインでは利上げ・据え置きそのものに加え、「ガイダンス(先行きの方針説明)」による市場の受け止めが重要となる。相対的にハト派(金融引き締めに慎重)な見通しや米国債利回りの低下は、リスク選好(投資家がリスクを取りやすい状態)を支える可能性がある。発表直後の初動が、その後も崩れないかを見極めたい。
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ビットコインはニュースや金利見通しに反応しやすく、上昇・下落の両局面で売買判断の機会が生まれやすい。
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FAQ
なぜビットコインは80,000ドルを下回っているのか?
週末の下落は、中東情勢への懸念再燃により、リスク資産への投資意欲が弱まったタイミングと重なった。週後半のETFからの資金流出も、投資家姿勢が慎重であることを示した。
目先のサポートとレジスタンスは?
サポートはまず79,600ドル、次に79,350~79,400ドルが目安。レジスタンスは79,800ドル近辺、その次が80,000ドル。
84,000ドルまで回復する可能性はあるか?
84,000ドル方向への回復はあり得るが、その前提として80,000ドルの回復と、81,500~82,500ドルの抵抗ゾーン突破が必要となる。
次の大きな材料は?
今後の予定されている材料はFRBの10月28日の金融政策判断で、中東情勢の動向もあわせて注目される。
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