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欧州各地の政情不安の中、ユーロ/ドルは底堅く推移

by VT Markets /
Oct 20, 2026

重要ポイント

  • EURUSD(ユーロ/米ドル)は1.12181近辺で推移し、前日比0.06%高。火曜のアジア時間は米ドルがはっきりした方向感を示せず、上値は限定的。
  • フランスとイタリアの政情不安が欧州の安定性への懸念を強め、域内株式や国債(政府が発行する債券)に重し。
  • 仏独10年国債利回りスプレッド(利回り差)は月曜日に9.9bp(ベーシスポイント、0.01%)拡大し、147.3bpに。
  • 米ドル指数(複数通貨に対する米ドルの強さを示す指数)は月曜日に102へ。米10年国債利回りは5.131%で推移。

市場の動き

EURUSDは火曜のアジア時間に1.12181近辺で推移し、0.06%の小幅高となった。投資家心理の改善がリスクに敏感な通貨(景気や相場の変動で買われやすい通貨)の下支えとなった一方、欧州の政治不透明感がユーロの上昇を抑えた。

日中の値動きは狭く、高値1.12203、安値1.12089のレンジ。価格は1.12180近辺に集中しており、買い方・売り方のどちらも継続的に主導権を握れていない状況を示す。

米ドル指数は月曜日に102まで上昇し、世界情勢が不安定な中でも米ドル需要が続いていることを映した。一方、米10年国債利回りは5.131%で横ばい。EURUSDは米金利よりも、欧州の政治ニュースに左右されやすい地合いとなっている。

市場参加者が注目する理由

フランスの政治情勢はユーロの不透明要因となっている。仏当局は月曜日、反政府デモが全国で公共秩序を乱したことを受け、複数都市で夜間外出禁止令(外出を制限する措置)を導入。エマニュエル・マクロン大統領の任期終盤に重圧を強めた。

混乱はフランスの財政見通しへの懸念も高めている。議会は、提案されている2027年予算のうち歳入(税収など、国の収入)部分について初めての正式採決を控える。政治対立が深まれば、財政協議の難航や仏国債への不安につながり得る。

債券市場はすでに反応している。仏独10年国債の利回りスプレッドは月曜日に142.3bpへ拡大した。スプレッド拡大は、投資家がドイツ国債に比べてフランス国債を保有する際、より高い上乗せ利回り(リスクに見合う追加の利回り)を求めていることを意味する。

政治的な緊張はイタリアにも波及している。政府は2日間の混乱を受け、500人規模の部隊を展開する計画を公表した。ユーロは比較的落ち着いているが、主要国で不安定さが続けば、通貨に下押し圧力がかかりやすい。

重要な取引水準

水準価格テクニカル上の意味
レジスタンス2(上値抵抗)1.12203セッション高値、上抜けの分岐点
レジスタンス1(上値抵抗)1.122目先の心理的な上値抵抗
ピボット(中心水準)1.1218足元の売買が集中する水準
サポート1(下値支持)1.1216短期の反応が出やすい水準
サポート2(下値支持)1.1214直近の押し目の支え
サポート3(下値支持)1.12089セッション安値、下方向の目安

EURUSDは短期的に持ち直した後、1.12200を下回る水準で持ち合い(レンジで上下する状態)となっている。9期間移動平均(MA9、直近9本の平均値を線で示し、短期の方向感を見やすくする指標)は1.12140からの反発を受けて上向きに転じたが、直近の値動きからはレジスタンス近辺で勢い(モメンタム、上昇・下落の加速感)が鈍っている様子がうかがえる。1.12200を上回って上昇を維持できず、この水準が目先の重要な上値抵抗となる。

下値では、まず1.12160がサポートとして意識される。ここを割り込むと、過去に買いが入った1.12140が視野に入る。さらに1.12089方向へ下げが深まれば、持ち直しが失速したサインになりやすい。

強気・弱気の想定シナリオ

シナリオ発動条件想定ターゲット
強気の上抜け1.12203を上回る動きが定着1.12220–1.12240
強気の戻り1.12160を維持1.12180–1.12200
弱気の反落1.12200を突破できず失速1.1216
弱気の下抜け1.12140を割り込む1.12089

強気シナリオでは、EURUSDがまず1.12160より上で下値を固めたうえで、1.12200~1.12203のレジスタンス帯を試す展開が必要となる。リスクセンチメント(投資家のリスク選好度合い)の改善や欧州政治不安の緩和が追い風になり得る。上抜けが確認できれば、1.12220~1.12240への上伸が視野に入る。

一方、弱気シナリオは、EURUSDが1.12200近辺で売り圧力に押され続ける場合に想定される。1.12160割れは目先の戻りを弱め、1.12140を下回ればセッション安値の1.12089が意識される。仏独国債スプレッドの拡大が続けば、下押し圧力を強める要因になりやすい。

免責事項

上記の価格水準と市場シナリオは執筆時点の筆者の見立てであり、投資助言ではありません。VT Marketsによる公式の推奨でもありません。取引にあたってはご自身で分析を行い、損失を抑えるための管理(リスク管理)を徹底してください。

EURUSD予想:この先は?

短期的なEURUSDは、世界的なリスク選好の改善と、欧州の政治不透明感の高まりを天秤にかける展開となり、レンジ相場(一定の幅で上下する相場)が続く可能性がある。足元の安定は、市場がフランスの混乱をユーロ圏全体の金融危機とまでは見ていないことを示す。一方で、仏国債への売り圧力が強まれば、単一通貨(ユーロ)への信認が揺らぐおそれがある。

次の大きな材料は、フランスの2027年予算を巡る動きと、欧州債券市場の反応だ。現実的な財政合意に向けた進展が見られれば、ソブリンリスク(国の信用不安)への懸念が和らぎ、EURUSDを支え得る。反対に、混乱の長期化やスプレッド拡大が続けば、下落圧力が強まりやすい。

VT MarketsでEURUSDを取引

EURUSDは世界で最も取引量が多い通貨ペアの一つで、欧州中央銀行(ECB)と米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策見通し、インフレ、景気、リスクセンチメントの変化を相場に反映しやすい。

VT Marketsでは、EURUSDの値動きの確認、テクニカル分析(チャート形状や指標から需給を読む分析)、ポジション管理(建玉の維持・決済)を、MetaTrader 4、MetaTrader 5、VT Marketsアプリなどの取引ツールで行える。

よくある質問(FAQ)

なぜEURUSDは1.12181近辺で推移しているのですか?

世界的なリスク選好が小幅に改善しユーロを下支えする一方、フランスとイタリアの政情不安が上値を抑えているため、EURUSDは1.12181近辺で推移している。

フランスの政情不安はEURUSDにどう影響しますか?

政治の不安定化は欧州資産への信頼を損ね、安全とみなされやすい資産への資金移動を促すことがある。フランス国債利回りがドイツ国債利回りに対して一段と上昇(スプレッド拡大)すれば、ユーロには追加の売り圧力がかかりやすい。

EURUSDの重要なレジスタンス(上値抵抗)水準はどこですか?

目先のレジスタンスは1.12200で、次がセッション高値の1.12203。これらを上回る動きが定着すれば、1.12220~1.12240への戻りを後押しする可能性がある。

EURUSDの主なサポート(下値支持)水準はどこですか?

目先のサポートは1.12160で、次が1.12140。売りが強まれば、セッション安値の1.12089を再び試す展開が想定される。

欧州の政治不透明感があってもEURUSDは上昇しますか?

上昇する可能性はある。米国債利回りが低下し米ドルが弱含む、または欧州の政治情勢が落ち着けば、EURUSDは持ち直しやすい。ただし、上昇が続くには買いの勢いが強まり、目先のレジスタンスを明確に上抜ける確認が必要になりやすい。

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