DJIA(ダウ工業株30種平均)は水曜日、53,500をわずかに下回る水準でもみ合い、当日の下げ幅は約100ポイントとなった。7月のコアPCEは前月比0.2%、前年比3.3%となり、市場予想と一致した。同時に発表された4-6月期GDP(改定値)は実質成長率が年率換算1.5%で据え置かれた一方、物価指標は上方修正された。GDP価格指数は6.3%から6.4%に、四半期ベースの総合PCE価格は5.1%から5.3%に、四半期ベースのコアPCE価格は3.4%から3.7%にそれぞれ引き上げられ、いずれも「改定なし」を見込んでいた市場予想に反した。7月30日の速報値ではGDP価格指数は6.3%とされ、市場予想(3.6%)を大きく上回っていた。
7月の個人所得は前月比0.4%増と市場予想(0.3%)を上回り、個人消費支出は前月比0.2%増で予想通り。月次のPCE価格指数も前月比0.2%上昇となり、実質の個人消費は横ばいとなった。耐久財受注は前月比1.1%増と市場予想(0.7%)を上回ったが、輸送用機器を除くと0.4%増。航空機を除く非国防資本財受注は1.2%増から0.2%増へ伸びが鈍化した。今後は、Nvidiaの決算が注目され、市場はEPS2.09ドル、売上高約922.8億ドルを見込む。なお、30年国債利回りは、約20年ぶり高水準を付けた後の月曜日時点で5.23%。DJIAは最高値から約2.3%下に位置し、テクニカル面では53,700~53,800が上値抵抗、53,400~53,200が下値支持、加えて50日EMAが52,600近辺に位置する。
スタグフレーション・リスクと市場の乖離
ダウが53,500手前で推移する一方で、4-6月期コアPCEインフレ率が3.7%へ大きく上方修正された事実が十分に織り込まれていない点は懸念材料だ。実質消費の横ばいと企業投資の減速というスタグフレーション的な組み合わせが、市場全体では「無難」と受け止められている。デリバティブ投資家はこの点を軽視すべきではない。過去の傾向では、これほどのインフレ上方改定がサプライズとなった場合、1カ月程度のラグを伴って株式市場が2~4%下押しするケースが多い。
加えて、30年国債利回りは直近で5.23%と、約20年ぶりの高水準に達した。高金利環境下でダウが最高値圏に接近している状況は不安定さが増しているとみる。歴史的には、長期金利が高止まりする一方で株価指数が高バリュエーション近辺で推移すると、資金が相対的に安全な債券へシフトし、最終的に最大10%程度の急調整に至る局面があった。
戦略的対応とテクニカル見通し
今週は、Nvidiaの決算(売上高コンセンサス922.8億ドル)と、FRB議長ウォーシュによるジャクソンホールでの講演という二大イベントが控え、この不安定な小康状態を崩す可能性が高い。デリバティブ投資家には、プット購入やベア・スプレッドの構築など、防御的なオプション戦略でボラティリティ上昇局面を捉えることを提案する。過去の経験則では、メガキャップ・テックの決算前後はオプション市場が平均で8~10%の変動を織り込むことが多く、指数全体への波及も大きい。
テクニカル面では、53,800の抵抗帯に上値を抑えられる限り、弱気バイアスを維持する。日足のストキャスティクスRSIは44近辺で反転気味となっており、直近の約600ポイントの戻りは、堅固な底固めというより勢いの鈍化を示唆する。下値目標は、53,200の支持帯および53,000水準を意識し、弱気シナリオの無効化は日足終値で53,800を明確に上抜けた場合に限られる。
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