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米インフレ指標と米FRBのハト派後退観測を受けドル高支え、アジア通貨は小動き

by VT Markets
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Jun 9, 2026

リスク資産とアジア通貨は、先週金曜日のテック株主導の売りが大きな追随を伴わなかったことを受けて下げ渋り、韓国の一部半導体株は夜間に反発した。市場の関心は、先週の米労働市場指標の強さを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め観測という循環的なFXテーマに再び移りつつある。目先の焦点は、NFIB中小企業楽観度指数、週次のADP雇用統計、4月の貿易収支に加え、中国の最新貿易統計であり、同指標は人民元と広範なアジア通貨の下支えとなっている。

金利面では、FRBのカストディ(保管)残高データが、5月初から海外当局による米国債保有が710億ドル減少したことを示した。これはアジア各地で行われた可能性の高い為替介入、およびそれに伴う米国債売却の含意と関連付けられる動きだ。マクロリスクの焦点は米インフレ指標へ移り、水曜日の5月CPI、木曜日のPPIに始まり、1週間後に控える米連邦公開市場委員会(FOMC)へと続く。同会合は従来ほどハト派的でないとの見方が優勢だ。米ドルは底堅く、米ドル指数は金曜日の上昇後に持ち合いとなっており、99.80近辺にサポートが意識される中、週後半にかけて上値再試行の可能性がある。

主要市場ドライバーとインフレ重視

リスク資産とアジア通貨は一時的な下値を見いだしたように見える一方、米ドルは押し目局面でも総じて下支えされるとみる。市場は重要な米インフレ指標とFRB会合を前に様子見姿勢にあり、今後数週間の戦略における焦点が明確になっている。

先週の堅調な労働市場統計では、5月の非農業部門雇用者数(NFP)が25万人増と強い内容となり、今週の注目はインフレへと一気に移った。消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)の発表が、いま市場の主眼である。当社は、FRBの慎重姿勢を補強し得る強めのデータを想定している。

直近のCPIが、インフレ率がFRB目標を上回る3.5%で粘着的に推移したことを示していることを踏まえると、来週のFOMCは一段とハト派色が後退すると見込む。これにより、短期的な利下げ確率は低下し、市場データでは7月会合での利下げ織り込みは20%未満にとどまる。「高金利の長期化(higher for longer)」の見方が再び勢いを取り戻している。

ドル見通しとトレーダーへの示唆

デリバティブ取引の観点では、米ドル指数(DXY)は104.00近辺で堅固なサポートを得たうえで、直近高値の再トライに向かう公算が大きい。よりハト派的な中央銀行を抱える通貨に対し、ドルの短期コールオプションを買う局面に機会があるとみる。また、ポートフォリオにおけるドル高進行リスクへのヘッジを検討する好機でもある。

足元のテック株のボラティリティ上昇は、為替市場を動かす主要なマクロ・ストーリーからみればノイズに過ぎない可能性がある。加えて、海外中央銀行による米国債売りが続いている点も注視しており、直近データはカストディ残高の持続的な減少を示す。このトレンドは、それ自体で米金利に上昇圧力をかけ、ひいてはドル高要因になり得る。

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