USD/CHFは木曜日、米国債利回りの低下が米ドルの重しとなり、米生産者物価の堅調な結果が後景に退いたことで、2週間ぶりの安値へ下落した。ペアは0.8286近辺で推移し、前日に到達した0.8395(2025年5月以来の高値)から水準を切り下げた。AI投資を巡る懸念に伴うリスクオフの地合いが資金を国債へと向かわせ、安全資産需要を通じてスイスフランを下支えする一方、米ドル(グリーンバック)を押し下げた。
米10年債利回りは8bp超低下して5.06%と、3週間ぶり低水準。米ドル指数は、水曜日に102.94を付けた後、102.00近辺へ軟化した。9月PPIは前月比+1.3%、前年比+6.3%と、市場予想(それぞれ+0.5%、+5.3%)を上回った。コアPPIも前月比+0.7%、前年比+5.0%と、予想(+0.3%、+4.4%)を上回った。水曜日のCPIは総合が前年比+3.7%(予想+3.6%)、コアが+2.6%(予想+2.5%)。市場は10月27-28日の据え置きを引き続き見込む一方、12月利上げ確率は約90%を織り込んでいる。これに対し、スイス国立銀行(SNB)は政策金利ゼロを維持し、インフレも目標レンジ(0%〜2%)内に収まっていることから、追加引き締めのハードルは高い。
USD/CHFオプションでボラティリティ上昇を見込む
株式市場でAI投資への警戒感が高まる一方、米インフレが粘着的であることから、為替オプションでは短期的な値動き拡大に備える必要がある。USD/CHFの短期ストラドル(コールとプットの同時購入)を用いれば、中央銀行会合を控え方向感を決め打ちせずとも急変動からの収益機会を狙える。過去には、米10年債利回りが5%を上回り、かつコアPPIが前年比+5%を超える局面では、通貨オプションのボラティリティ指数が15%〜20%上昇するケースがしばしば見られた。
金利差と反発局面を見据えたデリバティブ戦略
金利デリバティブでは、市場が12月利上げ確率を90%と織り込むなか、短期金利先物のショートなどで利上げを想定したポジション構築が可能だ。米10年債利回りは8bp低下して5.06%となったものの、9月の卸売段階インフレが前年比+6.3%へ急伸したことは、米金利がいずれ再び上向くことを示唆する。米国とスイス(政策金利ゼロ)との大きな金利差は、数週間の時間軸ではUSD/CHFのロング戦略(デリバティブを通じた構築を含む)を引き続き後押ししやすい。
また、USD/CHFのリスクリバーサルを活用し、スイスフランの安全資産需要が一服した後の反発を狙うこともできる。足元の0.8286近辺への下落は一時的とみられる。スイスのインフレは中銀目標レンジ(0%〜2%)に十分収まっており、SNBがゼロ金利から利上げに踏み切る可能性は高くないためだ。したがって、アウト・オブ・ザ・マネーのUSD/CHFコールを買うことは、0.8395近辺の直近高値への反転を見込むうえで、コスト効率の高い手段となる。
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