金は月曜日の約4%下落を受け、火曜日は下げ渋った。XAU/USDは8月5日以来の安値となる4,110ドルまで下落した後に反発し、4,157ドル前後と日中で1.00%高。前日の下落は、利回りを生まない資産である金を保有する機会費用を押し上げる米国債利回りの上昇に沿った動きで、ホルムズ海峡を巡る緊張を背景としたエネルギー主導のインフレ懸念も相場の重しとなった。指標となる米10年債利回りは、月曜日に2007年以来の高水準となる5.27%を付けた後、足元では5.23%前後。市場は、今月の25bp利上げ後のFRBの金利経路に引き続き注目しており、CME FedWatchツールは10月の追加利上げ確率を概ね72%と示唆している。
米ドルは底堅く、ドル指数(DXY)は約2カ月ぶり高値圏の101.37近辺で推移。非ドル圏の投資家にとって金の現地通貨建てコストが上昇し、需要を抑えやすい。テクニカル面でも弱いシグナルが続き、14期間RSIは37、MACDはマイナス圏、ADXは18。価格は主要ボリンジャーバンド水準の下で上値を抑えられている。上値抵抗は4,157ドル、その上は4,325ドル、4,494ドル。下値支持は4,100ドル、4,000ドルが意識される。トレーダーは米国の重要指標が集中する日程にも直面しており、9月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数、8月JOLTSのほか、今後PCE、ISM PMI、NFP(雇用統計)が控える。
短期トレーディング戦略とテクニカル見通し
金は重要なテクニカル上の抵抗である4,157ドルを下回って推移しており、金デリバティブ市場では短期の下方向(弱気)戦略に重点を置くべきだ。米10年債利回りが5.23%と数十年ぶり高水準近辺で推移するなか、利回りを生まない金を保有する機会費用は極めて高い。したがって、プット・オプションの購入、または4,325ドルのボリンジャーバンド中央線に向けた戻り局面でのショート先物構築を検討したい。
PCE価格指数や非農業部門雇用者数(NFP)など複数の重要指標が、今後数週間で急激な値動きを引き起こす可能性が高い。過去データによれば、市場が利上げ確率72%を織り込む局面では、雇用指標が予想を上回った場合、その後の取引セッションでドル指数(DXY)が平均1.2%上昇し得る。こうしたイベントに備える手段として、方向性を限定せずブレイクアウトから収益機会を狙うストラドル/ストラングル戦略の活用が考えられる。
リスク管理と地政学要因
目先のテクニカル・トレンドは弱気に分がある一方、ホルムズ海峡を巡る対立は突発的な上昇リスクを持ち込み得るため、ヘッジが不可欠だ。地政学的緊張の激化は歴史的に金のインプライド・ボラティリティを15%超押し上げる傾向があり、裸のショート・ポジションは高リスクとなる。ポートフォリオ防衛の観点では、ショート先物にアウト・オブ・ザ・マネーのコールオプションを組み合わせ、世界的な供給混乱が深刻化した場合の損失を限定する構成が有効だろう。
また、4,100ドルおよび4,000ドルという重要な心理的サポートで機関投資家の買いが入る兆候がないか、注視する必要がある。公的統計では、世界の中央銀行がドル依存を下げる目的で歴史的なペースで金を購入し、年間1,000トン超を準備資産に積み増していることが示されている。金が4,100ドルの下値メドを割り込まずに維持できるなら、ショートを機動的に巻き戻し、ショートカバーによる反発局面を取りにいけるよう備えておきたい。
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