EUR/USDは水曜日の米国時間、序盤の下落後に下げ渋った。米ドルは、FRBがタカ派姿勢を強めるとの見方の台頭と中東情勢の緊迫化に支えられた。一方で、米労働指標の軟化シグナルや米国債利回りの小幅低下が上値を抑え、同通貨ペアは1.1580近辺で推移し、日中では0.11%安となった。ADP統計では8月の民間雇用者数が+3.8万人と、市場予想の+4.7万人を下回った。なお7月は+4.6万人へ上方修正され、週末(金曜日)の米雇用統計(非農業部門雇用者数)を前にした市場の地合いを左右した。
米国債利回りは小幅に低下したものの高水準を維持し、10年債利回りは一時4.81%(2023年10月以来の高水準)を付けた後、4.78%前後で推移した。ドル指数は、2週間高値の99.87付近を付けた後、99.74近辺で取引された。市場がFRBの利上げパスを織り直すなか、CMEのFedWatchでは9月15~16日の利上げ確率が約70%と、1週間前の36%から上昇した。ユーロ圏では、ECBが9月9~10日に預金ファシリティ金利を25bp引き上げて2.50%とする見方が優勢だ。背景には、HICPインフレ率が7月の前年比2.9%から8月に3.3%へ加速したことがある。今後は木曜日にPPI、金曜日に小売売上高の発表を控える。
Derivatives Strategies Amid Central Bank Decisions
EUR/USDが1.1580近辺で持ち合う一方、主要中銀の政策決定が数日後に迫っていることから、デリバティブ取引ではボラティリティ急上昇に備えることを推奨する。センチメント指標によれば、夏季休暇明けで政策イベントが集中する9月は、通貨ボラティリティが通常10%超上昇しやすい。ECB会合(9月9~10日)とFOMC(9月15~16日)を前にした急変動を捉える戦略として、短期のEUR/USDストラドル(買い)を提案する。
今月のFRB利上げ期待が70%まで跳ね上がったことで、ファンダメンタルズ上のバイアスは米ドル高方向に大きく傾いている。この流れを取り込むため、EUR/USDの弱気プット・スプレッドで1.1500割れをターゲットにする戦略を選好する。プレミアムコストを抑えつつ、金曜日の米雇用統計が労働市場の底堅さを示した場合の収益機会を狙える。
Geopolitical Risks and Policy Divergence Trades
中東の緊張激化はエネルギー価格を押し上げており、歴史的に米ドル(グリーンバック)への安全資産需要を強く喚起しやすい。過去の地政学起因のエネルギーショック(例:2023年後半、供給懸念でブレント原油が1バレル95ドル近辺へ上昇)では、ドル指数が数週間で約5%上昇した。デリバティブ投資家は、地政学リスクの一段の高まりや利回り上昇に備えるヘッジとして、ドル指数(DXY)のアウト・オブ・ザ・マネー・コールオプションの購入を検討したい。
ユーロ圏はインフレ率が3.3%と高く、ECBが来週預金金利を2.50%へ引き上げる可能性は高い。ただし、小売の伸び悩みや製造業の減速が、ユーロの回復余地を制約する公算が大きい。こうした政策スタンスの乖離を取引する手段として、アウト・オブ・ザ・マネーのEUR/USDコールオプションを売却してプレミアム獲得を狙い、ECB要因で上昇しても短命に終わるとの見立てに賭ける戦略を推奨する。
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