カナダの労働力率(労働参加率)は9月に64.8%へ低下し、前月の65%から下がった。この動きは、就業している、または積極的に求職している就業可能年齢人口の割合が縮小したことを示しており、採用環境が概ね安定している場合でも、労働市場の主要指標(ヘッドライン)に影響を与え得る指標だ。
参加率の低下は、職探しをしているとカウントされる人が減ることで、測定上の失業率を押し下げる可能性がある一方、労働市場への関与(労働供給への結びつき)の変化を示唆するシグナルにもなり得る。足元ではカナダの労働供給に冷えが出ていないかを見極めようとする向きが多く、月次の参加率の振れは、人口動態、就学(進学)動向、求職行動などに左右されやすい。
労働市場の弱さと中銀の政策見通し
9月の参加率が64.8%へ低下したことは、積極的に職を探す人が減っていることを示し、労働市場の「隠れた弱さ」を映し出している。参加率の低下は、ときに失業率を見かけ上押し下げることがあるとはいえ、最終的には景気減速を示す材料となる。今回の結果は、カナダ銀行(BoC)が今月後半の次回会合で、より踏み込んだ利下げに傾く根拠を一段と強めるとみる。
カナダドルとデリバティブ戦略への示唆
過去の傾向として、参加率が低下し、かつ経済成長が鈍い局面では、カナダドルに大きな下押し圧力がかかりやすい。カナダのインフレ率が最近2.0%まで鈍化し、GDP成長も力強さを欠くなか、マクロ環境はハト派的な中銀姿勢を強く後押ししている。デリバティブ取引を行う投資家には、特に米国の堅調な経済指標に支えられている米ドルに対して、「ルーニー(カナダドル)」安に備える戦略を提案したい。
オプション市場では、CADプットの購入やベア・スプレッドの構築により、今後数週間に想定される下落モメンタムの取り込みが可能となる。加えて、短期金利先物では、より積極的な50bp(0.50%)の利下げを織り込む確度が一段と高まりつつある。カナダ国債と米国債の利回り格差(イールド・スプレッド)を注視すべきで、格差拡大はカナダからの資金流出を加速させる可能性が高い。
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