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ABNアムロ:エネルギー主導のインフレ再燃でECBの引き締めリスクが高まる中、ユーロ圏の成長は底堅く推移すると見込む

by VT Markets
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Sep 7, 2026

ABN AMROは、再びエネルギーショックが生じてもユーロ圏経済は拡大を続けると予想している。ドイツの財政支出が下支えとなる一方、実質所得の低下により個人消費には新たな下押し圧力がかかる見通しだ。同行は、4〜6月期(Q2)の活動が強かったことやドイツの成長率が上方修正されたことを受け、2026年の成長率予想を0.8%に戻し、2027年は1.2%を据え置いた。

一方で、見通しの主な制約要因はインフレになりそうで、欧州中央銀行(ECB)による追加利上げを促す可能性がある。総合インフレ率は6月の2.8%を底に8月は3.3%へ上昇し、3年ぶりの高水準となった。主因はエネルギーだが、財もインフレ率が上向いている。ABN AMROは、インフレ率が今後数カ月で3.5%を上回ってピークを付け、2026年平均は3.0%になると見込む。これは6月時点の予想より0.5ポイント高い。Indeedの賃金データやECBのトラッカーは、二次波及リスクが高まりつつあることを示しているという。

金融政策と金利市場への含意

ユーロ圏のインフレ率が8月に3.3%へ反発したことを踏まえると、デリバティブ・トレーダーは、市場が織り込む以上にタカ派的なECBを想定すべきだ。エネルギー価格が総合インフレ率を今後数カ月で3.5%超のピークへ押し上げる見通しのなか、金融引き締めの長期化リスクは急速に高まっている。とりわけ、ドイツの財政支出が域内成長を2026年0.8%と底堅く保っていることから、ユーロ圏金利には上昇圧力がかかりやすい局面といえる。

この環境を狙う戦略として、利回りが足元で2.45%前後にとどまるドイツ10年国債(ブント)先物のショートを推奨する。利回りは一段と上昇しやすいとみられるためだ。加えて、ECBによる追加利上げ余地の織り込み不足に賭ける形で、2026年12月限ユリボー先物のプット・オプション購入も有効となる。こうした防御的スタンスは、2022〜2023年の局面で賃金上昇の粘着性が政策当局に市場予想の上振れ(タカ派化)を繰り返し強いた、という過去のパターンにも支えられる。

為替・株式デリバティブの機会

為替オプションでは、ユーロの強気エクスポージャーを構築する余地が大きい。特に、EUR/USDの1.11水準をターゲットとするコール・オプションが有力だ。ユーロ圏の底堅い成長とタカ派的なECBの組み合わせは、足元で製造業関連指標に減速の兆しが出ている米国経済と対照的である。金利差を狙うこの取引は、ECBの先行的な賃金トラッカーが国内の物価圧力の定着を示唆している点でも補強される。

株式デリバティブでは、急なリスクオフ局面に備え、ユーロ・ストックス50のボラティリティ指数(VSTOXX)の短期コール・オプション購入によるヘッジを提案する。成長は安定しているものの、エネルギーショック再燃と借入コスト上昇の「二重苦」が企業の利益率を圧迫し得るためだ。公益(ユーティリティ)や生活必需品といったディフェンシブ・セクターのオプションに焦点を当てることで、高インフレが再び実質家計所得を重くし始める局面でも、ポートフォリオのクッションとなりやすい。

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