英ポンドは、英国の好調な小売指標を受けて一時日中高値の1.3375まで上昇したものの、その後は上げ幅を縮小し、時間の経過とともに勢いが失速した。GBP/USDは直近で1.3356と、前日比0.03%安となり、序盤の急伸分を一部吐き出した。
原油供給ショックを巡る報道で原油価格が上昇し、インフレ高止まりへの懸念が再燃したことで、市場の織り込みも変化した。エネルギー価格の動きが通貨ペアの重しとなり、英国指標への反応を抑制した。
エネルギー市場とインフレ上振れリスク
英ポンドは、全球的にブレント原油が突発的な供給不安を背景に1バレル=83ドル近辺へ再び上昇するなか、1.3375近辺で上昇分を維持できずに苦戦している。今回のエネルギーショックは、英国がCPIインフレ率を直近平均の2.2%近辺に抑え込んできた進展を容易に損ないかねない。デリバティブ取引の観点では、金融政策期待の急変を取り込むべく、ボラティリティ型戦略へ軸足を移す局面とみる。
ポンドと原油に関するデリバティブ戦略
GBP/USDが1.3356で推移するなか、為替レートの変動拡大を見込み、短期のストラドル買いを提案する。1カ月物のポンド・オプションのインプライド・ボラティリティは、商品主導のインフレ懸念局面で過去最大18%程度上振れした例がある。インフレ上振れリスクが本格的に織り込まれる前の相対的に割安なオプションを活用することで、リスク・リワードは良好と考えられる。
同時に、通貨エクスポージャーのヘッジとして、ブレント原油先物のアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)コールの購入でバランスを取るべきだ。原油価格が1週間で5%超上昇した局面では、英国の輸入コスト増を通じて歴史的にポンドの下押し圧力が強まりやすい。エネルギーのコールをポートフォリオに組み入れることで、インフレ懸念が深まり、ポンドが一段安となる場合の防波堤となる。
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