米ドル指数(DXY)は週末金曜日、0.36%上昇して99.50前後(スポットは99.47)となった。ジャクソンホールで連邦準備制度理事会(FRB)議長のケビン・ウォーシュ氏がタカ派的な発言を行い、米金利パスの見方が急速に見直されたことが背景。ウォーシュ氏はPCEインフレ率2%目標を改めて強調し、夏場の指標が改善しているとしても、基調インフレが目標に向けて低下していることを当局が確信する必要があると述べた。これを受けて利上げ観測が上方修正され、CME FedWatchツールは9月利上げ確率を56%と表示。発言前の約36%から大きく上昇した。
米経済指標は強弱まちまち。米労働統計局(BLS)の速報版・非農業部門雇用者数(NFP)ベンチマーク改定では、3月までの12カ月の雇用が7万9,000人(0.1%)下方修正された。前年の91万1,000人減に比べると修正幅は小さい。ミシガン大学消費者信頼感指数(8月確報値)は51.0から51.7へ上方改定されたものの、7月の55.2は下回った。期待指数も50.6から51.5へ上方改定されたが、7月の55.4に届かなかった。1年先インフレ期待は4.3%から4.0%へ低下し、5年先は3.3%で横ばい。テクニカル面では、DXYは100時間線・200時間線(それぞれ99.08、99.06)を上回って推移し、RSIは75近辺。上値抵抗は99.70付近、下値は99.16近辺のトレンドライン支持に加え99.26近辺が意識される。
タカ派的なFRBシグナルを受けた米ドル・デリバティブ戦略
ジャクソンホール・シンポジウムでのタカ派シグナルを受け、向こう数週間は米ドル高基調が続く可能性にデリバティブ投資家は備えるべきだ。CME FedWatchツールで9月利上げ確率が56%に上昇したことで、短期金利先物は金融引き締めの織り込みを急速に進めている。押し目ではUSDコールオプションの買いを検討し、当面のレジスタンスである99.70の上抜けをターゲットとしたい。
持ち合い局面の可能性を踏まえたリスク管理と機会
もっとも、時間足RSIが足元で過熱感の強い75近辺に位置しているため、短期的なもみ合い(コンソリデーション)も想定しておく必要がある。過去の取引データでは、米ドル指数がこうした買われ過ぎ水準に達すると、上昇トレンド再開前に0.2%〜0.4%程度の小幅な調整が入るケースが多い。上昇トレンドラインの支持線である99.16近辺に、コールオプション買いまたは先物のロング構築を狙った指値を置く戦略を提案する。
また、金利見通しの変化を活用し、金利オプション市場では利回りがタカ派見通しに合わせて調整する局面を見込み、短期米国債先物のプット(価格下落=利回り上昇に賭ける)を中心にポジションを構築する手もある。雇用統計のベンチマーク改定が、過去の大幅な下方修正と比べて7万9,000人と軽微だったことを踏まえると、労働市場は高金利を一定程度吸収し得るだけの底堅さを保っているとみられる。想定外の景気指標の反転に備え、資本防衛の観点から、200時間移動平均線の99.06を明確に下回る水準にディフェンシブなストップロスを設定することを推奨する。
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