ドイツ銀行リサーチは、2026年のイラン関連エネルギーショックを受ける中でも、英国経済はインフレ鈍化、堅調な家計支出、底堅い企業投資、在庫積み増しに支えられ、持ちこたえていると指摘した。実質GDPは1-3月期に前期比0.6%増、4-6月期に同0.4%増となり、年初来で英国はG7で最も高い成長率となっている。同行のベースライン見通しは2026年のGDP成長率1.1%で据え置かれたが、足元のデータは同予測に上振れ余地がある可能性を示すとした。
同メモは、2026年上期の家計支出が0.85%増加したとし、夏場の景況感調査が予想を上回ったと説明。8月の速報総合PMIは52.2から52.5へ小幅上昇したとした。さらに、景気は年率換算で2%ペースで推移しているとし、モメンタムと繰り越し効果により、7-9月期の前期比成長率は現行の0.1%見通し(7-9月期、10-12月期とも)に対し、0.2%へと0.1ポイント押し上げられる可能性があると論じた。
英国見通しの強さを踏まえたFX・金利戦略
英国が今年、年率換算2%の成長率でG7最速というサプライズとなっていることを踏まえ、デリバティブ取引では今後数週間のポンド高に備えたポジショニングを推奨する。8月速報総合PMIが52.5へ上昇したことから、イングランド銀行(BOE)は主要中銀の中でも「より長く高金利」を維持する可能性が高い。明確な金融政策の方向性の違いを取り込むため、短期のGBP/USDコールオプションの買いを提案する。
また、上期の家計支出が0.85%増と示す英国経済の底堅さは、インフレリスクが上振れ方向に傾いていることを意味する。したがって、利回り上昇局面の恩恵を得るため、英国債(ギルト)先物のショート、またはペイヤースワップの構築を推奨する。歴史的に、今年前半の前期比0.6%増、0.4%増のように市場予想を上回るGDPが出ると、利下げ期待が後ズレし、債券利回りは上昇しやすい。
内需の強さを背景とした株式デリバティブの機会
株式デリバティブ市場でも好機があるとみており、特に内需比率の高いFTSE250指数に照準を合わせたい。足元の世界的なエネルギーショックにもかかわらず国内需要が際立って堅調であることを踏まえると、FTSE250先物を用いた強気のコールスプレッドは現局面で魅力度が高い。この戦略により、割安に評価されがちな英国株バリュエーションと、力強いマクロ拡大という実態とのミスマッチを取り込むことができる。
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