スポット金は、4,500~4,550ドルのレンジを回復した後に4,600ドル台へと上伸し、金曜日には約4,604ドルを付けた。これは5月15日以来の高値で、金相場は3週連続の週間上昇に向かっている。日足では4,050~4,100ドル近辺で下値を固めた後、高値・安値を切り上げる展開が継続。4,225ドルを回復し、4,390ドルを上抜けたのち、4,500ドルを突破して上昇が加速した。目先の上値抵抗は4,600~4,605ドルとされ、4,605ドルを上回れば4,635ドル、次いで4,670~4,720ドルが視野に入る。その上の上値ゾーンは4,720~4,770ドルと位置付けられ、4,721.73ドルが歴史的水準として言及されている。下値支持は4,570~4,575ドル、次いで4,540~4,550ドル、4,500~4,510ドル。さらに下では4,450~4,480ドル、4,390~4,400ドルが想定されている。
今回の上昇は、米ドル安、米金融政策見通しの変化、米財務省が長期債のバイバックを拡大したことを受けた米国債利回り低下と結び付けられている。ドルは8月21日時点で3カ月ぶり安値圏、米10年債利回りは約4.69%近辺。財政・債務の持続可能性への懸念も、中央銀行やETF需要と並ぶ需要経路として挙げられる。ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の2026年中央銀行調査では、準備資産運用担当者の89%が「今後12カ月で世界の公式金保有が増える」と見込み、45%が「自国の保有が増える」と回答した。中国の金ETF保有は7月に約5トン増加し、8月も資金流入が続いている。金は週間で約4.2%上昇し、4,500ドル近辺の200日移動平均を上回った。一方、利回り・ドル・FRBガイダンスの反転による下押しリスクも指摘され、4,450ドル割れ、より重要には4,390ドル割れとなれば調整色が強まる可能性がある。
デリバティブ取引戦略と市場構造
金が4,600ドル水準を狙う中、デリバティブ取引参加者は強気局面の持続に備えるべきだ。高値・安値の切り上げが明確に形成されているため、戻り売りではなく押し目買いに軸足を置く戦略が適切となる。当面の焦点は4,500~4,550ドルの重要ゾーンで、ここは強い抵抗帯から主要な支持帯へと性格が転換した。
短期のオプション・先物戦略では、4,570~4,575ドルへの浅い押し目でのエントリーを検討したい。より深い押しで質の高い買い場となるのは4,540~4,550ドルへの調整局面だ。リスク管理は厳格に行う必要があり、日足終値で4,500ドルを明確に下回ればブレイクアウトは否定され、4,450ドル方向への一段の調整を示唆する。
金が目先の上値抵抗である4,605ドルを上抜ければ、上値の延長ターゲットは4,635ドル、4,670ドルとなる。さらに中期では、4,720~4,750ドルの主要な歴史的レジスタンスゾーンを目標に据える。こうした強気の拡大局面は、需給が「蓄積(アキュムレーション)」から「拡張(エクスパンション)」へ移行するという堅固な市場構造に裏付けられている。
マクロ要因と機関投資家需要
この上昇モメンタムは、米ドル安と米国債利回りの低下に強く支えられており、10年債利回りは足元で約4.69%近辺で推移している。加えて、米国の政府債務が35兆ドルを超えて急増していることから、財政の持続可能性に対する懸念が強まっている点も考慮すべきだ。こうした環境は、通貨価値の希薄化に対する重要なヘッジとして金を利用する動機を投資家に与える。
さらに、機関投資家による強固な下支えが金市場の安全網として機能し続けている。過去のデータでは、世界の中央銀行が近年、年間1,000トン超の金を継続的に購入してきたことが示されており、この強いトレンドは2026年も高い水準で継続している。WGCが「準備資産運用担当者の89%が世界の金準備の増加継続を予想」と報告していることを踏まえると、金の長期的な下値の堅さは極めて高いとみられる。
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