EUR/USDは一時3カ月ぶり高値を付けた後、1.1700を再び下回った。米ドルが底堅さを強めたことで、木曜日に同水準を上回って引けるには至らなかった。動きは米国債利回りの反発に連動。米財務省が長期債の買い戻しを20億ドルから40億ドルへ増額すると発表したことが背景となった。米ドル指数(DXY)は0.10%高の98.84。1.1800が視野に入り得る上昇圧力は抑えられ、同水準は4月17日以来の水準となる。
米労働指標もドルを下支えした。8月15日終了週の新規失業保険申請件数は20.6万件と、予想の21.0万件および前週の21.2万件を下回った(7月のNFPが弱かった後でも改善)。7月のFOMC議事要旨ではインフレへの警戒がより強まっていることが示され、複数の政策担当者が利上げに前向きで、多くがインフレが2%へ向かわない場合には利上げが必要と指摘した。Prime Terminalによれば、スワップ市場は9月利上げ確率を35%、12月まででは約64%と織り込んでいる。ユーロ圏では、ドイツの7月PPIが前月比で-0.3%から+1.1%へ上昇し、前年比は1.8%から3%へ上振れ(予想2.7%)。今後はフランス、ドイツ、ユーロ圏、米国の速報PMIが控える。
EUR/USDの反落局面に向けたデリバティブ戦略
EUR/USDが1.1700の維持に苦戦していることから、反落の可能性を捉える短期オプション戦略に注目したい。14日RSIは73.13と買われ過ぎ圏にあり、目先の上値余地は限定的とみられる。短期のプットオプション購入、またはベア・プット・スプレッドの構築により、1.1472近辺の強固な支持帯への調整下落を狙うことを検討したい。
この見方は、米国債利回りの反発がドル指数に再び追い風となっている点でも裏付けられる。米財務省が長期債買い戻しを40億ドルへ倍増させたことで流動性がタイト化し、DXYは98.84まで上昇した。過去の傾向として、米ドル指数が98.50を上回って安定するとユーロの上昇は早期に失速しやすく、現時点での強気の積み増しはリスクが高い。
速報PMIを見据えたボラティリティ活用型トレード
今後公表される速報PMIに備えるには、ロング・ストラドルなどボラティリティベースのデリバティブ戦略の活用を推奨する。スワップ市場が9月利上げを35%程度しか織り込んでいないため、米経済指標が上振れれば確率が急変し、市場が大きく動く可能性がある。12月までの利上げ確率は64%と高めであることから、強いデータが出ればユーロ・ロングの巻き戻しが急速に進む公算が大きい。
PMI発表後もEUR/USDが重要サポートの1.1681を維持できる場合、1.1450近辺のアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)プットを売却してプレミアム獲得に移行する戦略が考えられる。同水準は単純移動平均線(SMA)が密集するゾーンに守られており、過去には調整局面で強い下値支持として機能しやすい。現時点では、主要な水平レジスタンスである1.1849を日足終値で明確に上抜けるまで、1.1700超のブレイクアウト追随には慎重姿勢を維持したい。
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