ゴールドとマクロ市場の概況
金は小幅高を削り、欧州時間を前に4,450ドルを下回って取引された。米ドル売りが再燃しているにもかかわらず、である。市場はFOMC議事要旨を控えてポジション調整を進めており、原油がホルムズ海峡を巡る米・イランの対立を背景に約3週間ぶり高値へ上昇する中、エネルギー価格上昇に伴うインフレ懸念が意識された。米国債長期金利も上昇し、30年債利回りは2007年6月以来の高水準となった。CMEグループのFedWatchツールでは、年末までのFRB利上げ確率が約68%と織り込まれている。米ドル指数(DXY)は99.40から反発したと伝えられた。
XAU/USDは日中レンジの下限付近で上値を抑えられ、4〜6月下落局面の50%戻しを明確に上抜けられず、200日SMAも大きく下回って推移した。モメンタム指標はまちまちで、MACDはゼロライン上を維持しつつもシグナル線へ接近、RSIは59.24で推移した。上値抵抗は4,406ドル、その後に4,509ドル、4,519.36ドル。下値支持は4,292ドル、次いで4,152ドル、さらに下方では3,925ドル近辺が下値メドとされた。
金・原油・債券・為替の戦略
金のデリバティブ取引は慎重姿勢を推奨する。4,450ドルを下回って推移し、短期的に弱気寄りの戦略を検討したい。200日単純移動平均線が4,509ドルに位置しており、強い上値の壁が意識されるため、プロテクティブ・プット(下落に備えたプット買い)の活用が有効とみる。この抵抗を奪回できない場合、今後数週間で重要サポートである4,292ドル近辺への調整が見込まれる。
ホルムズ海峡を巡る米・イラン対立がエネルギー市場のボラティリティを高めているため、原油デリバティブはロング重視としたい。歴史的に、この戦略航路で緊張が深刻化すると供給不安が強まりやすく、足元ではブレント原油が1バレル90ドル付近へ上昇してきた。地政学リスクが想定外に緩和した場合の下振れを限定しつつ上昇余地を取りに行く手段として、原油のコールオプション活用が考えられる。
債券市場も注視が必要だ。米30年国債利回りが5.1%を上回り、2007年夏以来の水準へ急伸している。背景には根強いインフレ懸念があり、年末までの追加利上げ確率が68%と見積もられていることも支えとなっている。これを踏まえ、高金利の長期化は無利息資産への逆風となるため、米国債先物のショートや金利スワップの活用を提案する。
最後に、米ドル指数は99.40の重要サポートから反発し、底堅さを示している。今後数週間は主要通貨に対するドルロング(ドル建てロング)戦略が有力と考える。高エネルギー価格と利回り上昇が二重の追い風となり、当面ドルの持続的な下放れは起きにくいだろう。
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