米国の長期金利は約20年ぶりの高水準に達し、30年米国債利回りは約5.3%に乗せた。それでも米ドル指数(DXY)の反応は鈍く、上げ幅は0.03ポイント程度にとどまり、17pipsという狭いレンジのまま99.50台をかろうじて維持している。値動きは99.75近辺の横ばいの200日EMA(指数平滑移動平均)に上値を抑えられているうえ、指数の構造上、「米国だけの金利ショック」は効きにくい。ユーロの構成比が57.6%、円が13.6%で、バスケットの8割超が同方向の金利上昇にさらされている。実際、日本の10年債利回りは約30年ぶりの高水準、ドイツの30年は2011年以来の高水準、フランスの30年も2008年以来の水準に達している。
むしろ通貨へのインパルスは、金融政策期待が支えを失いつつある点にある。条件付き会合確率は、9月16日が据え置き65.4%、10月28日が据え置き52.4%、12月9日が据え置き33.0%を示す。8月10日時点では「12月利上げは確実」と織り込まれていたのとは対照的だ。「バンド下(below-band)」欄は2026年の全会合を通じて空欄で、何らかの示唆が出るのは2027年のかなり先まで見当たらない。米経済指標も弱めで、7月の住宅着工は123.9万件(予想135万件、前回141.5万件)、中古住宅販売仮契約は前月比-2.3%(予想+0.3%)、鉱工業生産は+0.2%(予想+0.3%)。一方、NY連銀製造業景況指数(エンパイア・ステート)は20.6(予想11)だった。今週は水曜18:00GMTにFOMC議事要旨、その後に新規失業保険申請件数(予想21.0万件、前回20.9万件)とフィラデルフィア連銀景況指数(予想25、前回41.4)、さらに8月速報PMI(製造業53.8:前回53.9、サービス業54:前回54.6)が控える。テクニカルでは、上値抵抗が99.75、次いで100.00、50日EMA付近の100.25。下値支持は99.50、次いで99.25、98.75。無効化条件は日足終値で100.25を上回ることとされる。
Outlook And Trading Strategy For The Dollar Index
米ドル指数(DXY)は99.75の200日指数平滑移動平均(EMA)を上抜けできずに苦戦しており、さらなる下落に備えるべきだ。指数は99.50近辺で17pipsのタイトなレンジに張り付いているため、デリバティブ取引では、99.25および98.75のサポート水準を目標にショートポジションの構築、またはプットオプションの購入を検討したい。リスク管理は、無効化水準である100.25の直上にストップロスを置くことで、タイトに維持できる。
Rising Global Yields And Weak US Data Weigh On The Greenback
米国債利回りの上昇が通常持つ「ドル支援力」が機能しないのは、世界の債券利回りが足並みを揃えて上昇しているためだ。例えば、ドイツ10年国債(ブント)利回りは足元で再び2.6%近辺へ上昇し、日本の10年国債利回りも1%を上回って数十年ぶりの高水準に達している。こうしたグローバル金利の上昇が米金利優位を相殺し、ドルの相対的な魅力は薄れている。
加えて、米経済指標には減速がはっきりと表れており、住宅着工は123.9万件へ低下し、鉱工業生産も+0.2%と予想を下回った。この弱さを受け、金利先物市場は次回9月16日のFOMCでFRBが金利を据え置く確率を65.4%と織り込んでいる。ドル保有のプレミアムが縮小するなか、売り手は急がず、通貨を一段と押し下げる動きが続くと見込まれる。
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