米ドル指数(DXY)は100.00を下回って推移し、2カ月ぶり安値圏へとじり安となった。米国の雇用・インフレ・小売売上高が相次いで弱含み、来月の米連邦準備制度理事会(FRB)による動きへの期待が後退したことが背景。商品市場では、イラン高官の発言を受けて原油が2%超上昇する一方、金は底堅さを維持し、4,400ドル台を回復して上げ幅を広げた。西テキサス中質原油(WTI)は地政学リスク・プレミアムの上振れを受け、1バレル=84.00ドルに接近した。
為替市場では、EUR/USDは1.1614近辺の2カ月高値からいったん伸び悩んだ後も1.1580前後を維持。GBP/USDは英雇用統計を控え、3カ月高値圏の1.3500台半ばで推移した。USD/JPYは日本の4-6月期GDPが弱かったにもかかわらず159.00近辺でもみ合い。AUD/USDは中国の鉱工業生産と小売売上高の減速局面でも0.7100台前半で底堅かった。経済指標では、豪ウエストパック消費者信頼感に続き、英中銀(BoE)が注視する英国の労働市場統計、ドイツおよびユーロ圏のZEW景況感調査、欧州中央銀行(ECB)のフィリップ・レーン専務理事の講演が予定される。米国では建設許可件数、住宅着工件数、鉱工業生産、仮契約住宅販売が公表され、深夜にニュージーランドの4-6月期PPIが控える。
米ドルおよび主要通貨に関する戦略的ポジショニング
弱い経済指標がFRB利下げ観測を押し上げるなか、今後数週間は米ドル安を前提にポジション構築すべきだ。米ドル指数が節目の100.00を割り込み、FF金利先物は来月の政策転換確率をより高く織り込みつつある。当社は、EUR/USDが1.1580を上回って底堅く推移している点を踏まえ、目標1.1700を意識したEUR/USDのコールオプション買いを推奨する。
商品市場および英ポンドにおける投資機会
中東の地政学的緊張を踏まえると、エネルギー市場での突発的な供給ショックにも備える必要がある。日量約2,000万バレル(世界の主要輸送ルート)を扱う要衝・ホルムズ海峡を封鎖するとのイランの示唆は、WTI原油を90.00ドル超へと急伸させ得る。当社は、地政学リスク・プレミアム上昇を取り込む手段として、WTI原油のロング・コールオプション活用を提案する。
金が4,400ドルを上回って上昇していることは、インフレ懸念が後退する一方で世界的リスクが高まるなか、投資家が安全資産へ資金を移していることを示す。過去のデータでは、FRBの緩和局面が長期化し地政学的対立が強まる局面で、金価格は平均15%上昇してきた。この流れを収益機会に変えるため、下振れリスクを限定しつつリターン最大化を狙える金先物のブル・コール・スプレッド戦略の導入を推奨する。
最後に、英国の労働市場統計を控え英ポンドの動向は要注視だ。平均賃金(平均週次賃金)が前四半期までにみられた4%水準を上回って高止まりすれば、英中銀は利下げを先送りする可能性が高い。この場合、ポンドの支援材料となり、GBP/USDが1.3700を目指す展開を想定すると、GBP/USDのデリバティブを用いたロングポジションは魅力度が高い。
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