金は月曜日、小幅な上昇を維持したものの、序盤の上げを一段と伸ばすには至らなかった。9月の米連邦準備制度理事会(FRB)会合で利上げが行われるとの見方が後退し、米ドルが軟化したことが支えとなった。XAU/USDはアジア時間に一時4,416ドルまで上昇した後、4,401ドル近辺で推移。CME FedWatchの織り込みでは、来月の政策金利据え置き確率が約70%と示され、1週間前の48%から大きく上昇した。米指標の軟化が見通し変更を後押しした。7月の非農業部門雇用者数(NFP)は減少し、小売売上高は前月比で低下。CPIとPPIのインフレ率はいずれも前年比で鈍化した。
短期の米国債利回りは低下した一方、長期ゾーンは直近高値圏にとどまり、イールドカーブはスティープ化。通貨市場の環境を複雑にしている。ドル指数(DXY)は99.30まで下げた後、99.45前後で取引され、6月5日以来の低水準となった。地政学面では、6月に署名された米国とイランの60日間の覚書が月曜日に期限を迎えたが合意に至らず、原油価格を高止まりさせ、インフレ見通しを不透明にしている。チャート面では、スポットは100日単純移動平均(SMA)の4,385ドルを上回って推移し、RSIは65近辺、MACDはプラス圏。下値支持は4,200ドル、50日SMAの4,147ドル、4,000ドル。上値抵抗は200日SMAの4,506ドル。
デリバティブ取引戦略とマクロ環境
デリバティブ取引では、金が4,401ドル近辺で推移する今後数週間、慎重ながらも強気の戦略を推奨する。ドル指数が数カ月ぶりの低水準である99.45へ低下しており、マクロ環境は貴金属に強い追い風となっている。特に100日SMAが4,385ドルで強い下値の「床」として機能しているため、押し目でのロング構築を狙いたい。
強気スタンスは、金利見通しの急速な変化にも裏付けられる。CME FedWatchでは、FRBが9月に金利を据え置く確率が70%に達している。過去の利上げ停止局面(2006年、2019年など)では、その後6カ月で金価格が平均8%〜12%上昇した経緯がある。デリバティブ取引ではこの傾向を活用し、200日SMAの4,506ドルを目標に、期近のコールオプション買いを検討したい。
地政学リスクとテクニカル面の留意点
もっとも、米・イランの60日覚書が本日、正式な解決なく失効したことで、地政学リスクによるボラティリティには最大限警戒が必要だ。外交的膠着はホルムズ海峡のエネルギー輸送路に影響を及ぼす恐れがあり、原油高を通じて世界的なインフレ圧力を再燃させる可能性がある。突発的な変動へのヘッジとしては、プレミアムリスクを抑えつつ上方向のブレイクを取りにいけるブル・コール・スプレッドの活用を提案する。
テクニカル面では、日足RSIは65と過熱感は限定的で、買われ過ぎ水準に達するまで上昇余地が残る。急変リスクに備え、重要な構造的サポートである4,200ドルの直下に厳格なストップロスを設定し、資本を防衛したい。先物ロングのエクスポージャーを保ちつつ、プロテクティブ・プットで下方リスクを補完することで、今後数週間の高リスク環境をより効果的に乗り切れる。
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