NZD/USDは水曜日、0.5865前後へ下落し、日中で0.25%安となった。米インフレ指標が為替市場に与えた反応が限定的だったことが背景。米CPIは7月に前年同月比3.4%と、6月の3.5%から鈍化。前月比は、前回の0.4%低下の後、0.1%上昇となった。コアCPIは前月比0.2%、前年同月比2.5%で、いずれも市場予想通り。ドルの反応は抑制され、DXY(ドル指数)は小幅に低下した。一方、地政学要因も重しとなった。ロイターは、イラン高官筋が「ワシントン—テヘラン間の停戦延長に向けた協議は行われていない」と述べたと報じたほか、ホルムズ海峡およびバブ・エル・マンデブ海峡付近での船舶攻撃報告も伝えられた。ニュージーランドでは、クリストファー・ラクソン首相が4カ月で2度目の党首挑戦を退けたものの、総選挙まで3カ月を切るなか政治不透明感が警戒感を強めた。
チャートでは、同ペアは0.5864近辺で推移し、100期間SMA(0.5879)および200期間SMA(0.5878)を下回って推移。目先のサポートは0.5860、RSI(14)は43。レジスタンスは0.5878、次いで0.5879、その上に0.5909と0.5930が位置する。0.5860を明確に下抜ければ、0.5825、さらに0.5760が視野に入る。市場では9月FOMCでの利上げ確率は「50%をわずかに下回る」程度とされ、別モデルではコアPCE(速報)の前月比が0.18%と示唆された一方、PPIがその見通しに対するリスク要因として挙げられた。
NZD/USDのデリバティブ取引戦略
デリバティブ取引では、0.5865まで下落したNZD/USDへの下押し圧力を収益機会として捉えることを提案する。明確な弱気バイアスがあり、0.5879近辺の100期間・200期間SMAが上値抵抗として機能していることから、0.5825をターゲットとする短期のプットオプション(権利行使価格)を買う戦略を推奨する。この戦略により、目先の弱さからの収益化を狙いつつ、無制限の下方リスクにさらされることを回避できる。
米CPIが3.4%で落ち着き、コアインフレも2.5%にとどまる中、FRBには利上げ圧力が相対的に弱く、米ドルは概ね安定しやすい。こうしたボラティリティの乏しさを利用し、USD関連通貨ペアでアイアン・コンドルのようなレンジ戦略を組成することが考えられる。経験則として、市場が政策金利変更確率を50%程度織り込む局面ではインプライド・ボラティリティが低下しやすく、オプション売りが高い収益性を持ちやすい。
地政学・政治不透明感の下でのヘッジとリスク管理
ホルムズ海峡周辺の緊張の継続と、総選挙を控えるニュージーランド国内の政治不安定は、リスク選好を引き続き抑制しやすい。安全資産需要の急増(リスクオフ)による突発的なドル高に備えるヘッジとして、DXY(米ドル指数)のアウト・オブ・ザ・マネーのコールオプションを買うことを検討したい。たとえば紅海周辺での海運混乱といった類似の地政学危機では、安全志向の資金流入により、DXYが数週間で約3%上昇した局面があった。
NZD/USDが目先のサポートである0.5860を下抜ければ、下落が加速して0.5760近辺へ向かう可能性がある。今後発表されるPPIを注視し、市場のボラティリティ上昇前にポジション調整を行うことを推奨する。0.5880のレジスタンスをやや上回る水準にストップロスを置くことで、急反発局面におけるポートフォリオ防衛につながる。
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