週初は中東情勢で進展が見込まれるとの期待からリスクセンチメントが改善したが、合意の具体像が示されないまま相場は失速した。金は4,000ドルを一時割り込んだ後に下げ渋り、SpaceX株は、設備投資(CAPEX)が市場予想を上回ったことで、経営陣が強気の成長見通しを示したにもかかわらず13%下落した。為替では、米財務省が2011年の東日本大震災以来初めて円買い支援の介入に踏み切った。報道によれば、ドル円での対応ではなく、為替安定化基金(ESF)が保有する比較的小規模なユーロ建て資産を用いてユーロ円を売却したとされ、この手法は前例がないと説明されている。キャンプ・デービッド関連のメモでは円買いが50〜100億ドル規模とされ、また日本の財務省(MOF)が直近のオペレーションで約370億ドルを投入したとの見方もある。ただし、米国・韓国との協調が確認されたにもかかわらず、ドル円の先週の変動のうち半分はすでに巻き戻されている。
原油は、ホルムズ海峡の再開を巡る不透明感が続くなかで夜間に上昇した。一方、債券は利下げ・利上げ見通しの調整を受けて軟化した。来週の注目材料としては、3会合連続の利上げ後に前回据え置いたRBA(豪準備銀行)の政策決定(火曜)と、米CPI(水曜)が挙げられる。米CPIは総合が3.5%から3.4%へ鈍化する見通し。米決算シーズンは終盤で、Cisco、CoreWeave、JD.comなどが残る一方、今夜は米雇用統計(NFP)の発表を控える。
地政学リスクとマクロ逆風下のトレーディング戦略
デリバティブのトレーダーには、足元の週次サイクル(週内の循環性)を活用し、月曜にリスク資産を買い、木曜に利益確定する戦略を推奨する。このパターンは、中東を巡る週末の地政学的不安が繰り返し高まるものの、週明けまでに材料化しないケースが多いことに起因する。安全資産に目を向ける投資家にとっては、金が4,000ドルを上抜けた直近のブレイクが示す通り、押し目買いは依然として高いリターンが見込める戦略であり、リスク資産との相関が切り離されつつある点も追い風となる。
一方で、日本円の取引には慎重姿勢を勧める。米国がユーロ円売りで円を下支えするという異例の協調介入が行われたものの、日本の財務省が今回約370億ドルを投入したとしても、インターネスト・レート・ディファレンシャル(金利差)といった長期のマクロ潮流を、限定的な介入で反転させるのは難しいのが経験則だ。介入後のドル円は下落分の半分をすでに取り戻しており、今後もボラティリティ上昇が見込まれる。ECBの公式な協調が確認されるまでは、円の大幅な強気ポジションは見送り、様子見が妥当と考える。
マクロ見通しとセクター別ポジショニング
来週に向けては、重要マクロ指標への備えが必要となる。まず火曜のRBA政策決定では据え置きが有力視される。水曜は注目の米CPIで、総合インフレ率は3.5%から3.4%へ鈍化が予想される。インフレ指標がこうした「想定よりマイルド」な見通しに沿えば、利下げ・利上げ観測に絡む金利警戒が後退し、株式市場の安心感(リリーフ)につながる可能性があるため、トレーダーはそのシナリオも織り込んだポジション構築が望ましい。
エネルギーセクターでは、ホルムズ海峡の封鎖・再開を巡る不確実性がリスクプレミアムを高止まりさせているため、原油(USOIL)のロング継続を推奨する。米決算シーズンが終盤を迎え、Cisco、CoreWeave、JD.comなどが控えるなか、個別銘柄の株式デリバティブには選別的な機会が残る。加えて、高成長企業としてSpaceXの動向も注視したい。CAPEX増による13%下落は、長期ガイダンスが強気でも、コスト上昇に対する市場の感応度が高いことを改めて示している。
今すぐ取引を始めましょう — VT Marketsのリアル口座を開設するにはこちらをクリックしてください。