米ドルは7月29〜30日にかけ、複数通貨ペアで軟化した。米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を3.5〜3.75%に据え置いたことを受けたものだ。市場は決定直前までCME FedWatchで約3分の1の利上げ確率を織り込んでおり、FOMCメンバー3人が引き締め支持で反対票を投じた。9月16日の会合での動きへの期待は残り、インプライド確率は約60%へ上昇。焦点は8月7日の米雇用統計(NFP)と、8月12日の7月インフレ指標に移る。米国の4-6月期GDP速報値は前年比年率1.5%と、市場予想(2.1%)および1-3月期(2.1%)を下回った。投資と政府支出の伸び鈍化を、個人消費の底堅さが一部相殺した。輸入は増加した一方、輸出は減速し、1.5%の数字は改定で上方修正される見方がある。湾岸地域では和平協議が決着せず、米国がイランで目標を攻撃。米WTI(米国産軽質油)は1バレル80〜85ドル近辺を維持した。
英ポンドは約1.327ドル付近から反発。イングランド銀行(BOE)の金融政策委員会(MPC)が政策金利を3.75%で据え置く決定を6対3で可決し、市場の7対2というコンセンサス予想よりタカ派寄りとなった。トレーダーは20日単純移動平均(SMA)などのテクニカル水準も注視し、上方には100日・200日SMAが控える。ATRと出来高は大きな変化がなかった。USD/CADは下落。カナダ銀行がインフレ鈍化に言及する一方、関税リスクと安全資産需要は引き続き意識された。20日/50日SMAの「デッドクロス」と1.40ドルのサポート帯、さらに8月7日の雇用統計に向けた中期目安として1.425ドルが監視された。
—夏場の流動性低下と米重要経済指標イベント
歴史的に取引が落ち着きやすい8月に入るにあたり、デリバティブ取引参加者には市場流動性の低下への備えを推奨する。夏季休暇シーズンには流動性が例年10〜15%低下する傾向がある。こうした季節要因の鈍化がある一方、当面の焦点は8月7日の米非農業部門雇用者数(NFP)と、8月12日のインフレ指標にある。これら重要イベントは、FRBが政策金利を3.5〜3.75%に据え置いた後のドル下落を受け、米ドルの方向性を左右し得る。
GBP/USDおよびUSD/CADの主要テクニカル水準とエネルギー市場の影響
GBP/USD(ケーブル)については、直近安値の1.327ドル近辺から反発する局面で、20日SMAの攻防に注目したい。BOEが3.75%据え置きを6対3で決定するというサプライズを伴い、タカ派寄りの傾きを示したことで、ポンドには強い下値支持が確認されつつある。ただし上値には100日・200日SMAが動的レジスタンスとして重く存在する。湾岸地域で緊張が高まれば、安全資産需要が急速にドルへ戻る可能性があるため、ポンドロングにはタイトなストップロス設定を推奨する。
USD/CADも同様にレンジ志向が意識されており、足元では心理的節目となる1.40ドルの重要サポートを試す展開となっている。歴史的にUSD/CADはこの水準近辺で買いが入りやすく、FRBと、よりハト派的なカナダ銀行との金融政策スタンスの乖離は、中期的な1.425ドル目標を後押しする。特に8月7日に米国・カナダ双方で雇用指標が公表され、米国景気が相対的に優位となる場合、1.40ドル近辺の押し目買いを検討したい。
加えてエネルギー市場の監視も重要だ。湾岸地域の軍事的緊張が続くなかでも、米WTIは1バレル80〜85ドルで安定している。この安定は、地政学リスクが残る一方で、9月16日のFOMCに向けたインフレ期待が現時点では抑制されていることを示唆する。市場が9月利上げ確率を60%程度織り込むなか、原油価格が急騰すればこれらの確率が急変し、通貨デリバティブに大きな変動を誘発し得る。
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