ポンドは主要通貨の大半に対して下落し、金曜の欧州時間には対米ドルで1.3444前後で取引された。木曜の政策決定を受け、市場がイングランド銀行(BoE)の利上げ見通しを再調整したことが背景。9月の利上げ確率は60%から30%へ低下し、年末までに市場が織り込む引き締め幅は31bpと、前日比で11.4bp縮小した。MPC(金融政策委員会)の投票が割れた一方、BoEのコミュニケーションは短期的な引き締め期待を抑える内容となった。
その後、米ドルが軟化したことで、ポンドは序盤の下げの大半を取り戻した。背景には、粘着的な米インフレに対応するためFRB(米連邦準備制度理事会)が追加利上げを実施するかどうかに対する懐疑がある。主要6通貨に対する米ドルの動きを示すドル指数(DXY)は高値圏から低下し、足元では100.00近辺で小幅高にとどまった。最新のFOMC会合後、INGは、FRBの政策経路と反応関数(リアクション・ファンクション)を巡る不透明感が続くとして、ドル売りが加速したと指摘した。
BoEとFRBの再調整局面での市場エクスポージャー調整
市場がBoEの利上げ見通しを急速に再調整していることを踏まえ、デリバティブ取引ではポンドのエクスポージャーを直ちに見直すことを推奨する。9月利上げの織り込み確率が60%から30%へ急低下したことで、短期のGBP/USDコールオプションはリスクが高まりつつある。この変化を収益機会として捉えるなら、GBP/USDでベア・プット・スプレッドを構築し、現行の1.3444を下回る下落を狙う戦略を提案したい。
一方、ドル指数は100.00近辺の重要なサポートを試しており、過去の高値(106.00超)からは水準を切り下げている。FRBの利上げ経路への疑念が強まるなか、大口のドルクロスではボラティリティ上昇に備える必要がある。米ドルを対象にロング・ストラドルを用いることで、相場の見通しが明確化する局面での上下いずれかへのブレイクアウトを捉えられる。
地政学リスクと債券戦略
また、ベイリー総裁が中東の地政学的緊張と、それが二次的なインフレ効果(セカンドラウンド)を誘発し得る点に警鐘を鳴らしていることも織り込む必要がある。2023年後半の大規模な供給途絶のような過去のエネルギー危機が示す通り、地政学的な火種は中央銀行のスタンスをハト派からタカ派へ急転させ得る。これに対するヘッジとして、ブレント原油のロング・コールを保有し、ポンドの予期せぬボラティリティ上振れを相殺することを提案する。
債券(金利)市場では、年末までのBoE利上げ織り込みが31bpまで急低下したことが、明確な投資機会となる。タカ派的レトリックのさらなる後退に備え、12月限の3カ月物スターリング先物の買いを推奨する。このポジショニングにより、市場の懐疑と、将来の利上げに対して高いハードルを維持する中央銀行とのギャップを収益化できる。
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