木曜日の米国時間、米成長率が予想を下回り、コアインフレも鈍化したことを受けて米ドルは下落した。一方、円が急伸し、為替介入観測が再燃したことで、ドルには追加の下押し圧力がかかった。米ドル指数(DXY)は約0.8%安の100.00近辺へ低下し、100.00の節目を割り込んだ。米4-6月期GDP(速報値)は前期比年率+1.5%と市場予想(+2.1%)を下回った。コアPCEデフレーターは前月比+0.1%(予想+0.2%)にとどまり、前年比も3.4%から3.3%へ鈍化した。新規失業保険申請件数は19.7万件(予想20.0万件)と小幅に改善したが、GDP価格指数は+6.3%と予想(+3.6%)を大きく上回った。
ユーロ圏GDPが前期比+0.4%(予想+0.2%)、前年比+1.0%となったことを背景に、EUR/USDは約0.5%高の1.1530近辺へ上昇した。内訳はスペインが前期比+0.7%、ドイツ・フランス・イタリアはいずれも+0.2%。ドイツのインフレ率は2.8%へ加速した。GBP/USDは約0.8%高の1.3470。英中銀(BoE)は政策金利を3.75%で据え置いたが、投票は6対3で、3名が25bpの利上げを支持し、タカ派色が意識された。USD/JPYは約2.4%下落して159.50近辺、AUD/USDは約1.1%上昇して0.7030近辺。WTI原油は約0.7%安の84ドル、金は約1.1%高の4,113ドル、銀は約3%上昇して59.20ドル近辺まで上昇した。金曜日は日銀(政策金利1%で据え置き観測)のほか、ユーロ圏インフレ(コアHICP前年比2.4%、総合は2.9%〔前回2.8%〕)、米雇用コスト指数(ECI、前期比+0.8%)、カナダGDP(前月比+0.2%)、シカゴPMI、ミシガン大学消費者信頼感指数が予定されている。
米ドルの下方ブレイクとボラティリティ戦略
米ドル指数(DXY)が重要な心理的節目である100.00を下抜けたことを受け、デリバティブ取引では米ドル安の継続に積極的にポジションを傾けることを提案する。過去データでは、DXYが主要なラウンドナンバーを割り込む局面では、アルゴリズム取引による売りが誘発されやすく、下落モメンタムが持続しやすい。米成長率が年率+1.5%へ減速するなか、DXYのプットオプション、またはUSD先物のショートでブレイク局面の収益機会を狙いたい。
USD/JPYが159.50近辺まで2.4%急落したことは、2022年末や2024年半ばに見られた数十億ドル規模の市場介入と同様、日本当局による直接介入の可能性を強く示唆する。日銀の金融政策決定を控えて円ボラティリティが跳ね上がる局面では、USD/JPYオプションで短期のストラドル(同一権利行使価格のコール・プット同時買い)またはストラングル(異なる権利行使価格のコール・プット同時買い)の買いを推奨する。この戦略は、日銀が政策金利を1.0%で据え置く場合でも、追加引き締めを示唆する場合でも、いずれの方向でも大きな値動きが出れば収益化しやすい。
欧州通貨と貴金属における機会
ユーロ圏GDPが前期比+0.4%と市場予想を上回り、BoEも3.75%据え置きながら6対3のタカ派的な票割れとなったことで、欧州通貨は上昇エクスポージャーの有力候補となる。EUR/USDとGBP/USDではブル・コール・スプレッドを用いてロングを構築し、それぞれ1.1530および1.3470を上回る水準をターゲットとしたい。ドイツのインフレ加速(2.8%)は、欧州当局が利下げに慎重姿勢を維持しやすいことを意味し、これらの取引にファンダメンタルズ面の追い風を与える。
米コアPCEが前月比+0.1%へ鈍化したことを受け、金は4,113ドル近辺へ上昇し、銀も約3%上昇して59.20ドル近辺に迫るなど、貴金属は強気局面入りの様相を強めている。米金利低下とドル安の局面では歴史的に銀が金をアウトパフォームしやすいことから、銀先物のコールオプション買いを提案する。景気のスタグフレーション的シグナルに対する「安全資産需要」が意識されるなか、貴金属コールのロングはリスク・リワードの観点で魅力的なポジショニングとなり得る。
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