市場は日銀が金曜早朝の金融政策決定会合で無担保コール翌日物金利を据え置くことを完全に織り込んでおり、インプライド確率は99.3%。ブルームバーグの調査でも、全アナリストが一致している。したがって、焦点は決定そのものよりも日銀のフォワードガイダンスに移る可能性が高い。前回会合では植田和男総裁が入院のため出席できず、記者会見も主導しなかったことから、先行きに関するコミュニケーションは限定的だった。
市場の一般的な見方では、日銀はおおむね半年に一度のペースで利上げを行うとされ、次の一手は12月との見立てが多い。ただし、マクロ環境次第では前倒しもあり得る。インフレ率は2%前後で安定しているとされる一方、先行指標は物価上昇圧力の強まりを示し、センチメント指標も景気の底堅さを示唆している。10月利上げの可能性を信認性をもって示すタカ派メッセージとなれば円を下支えし得るが、従来通りの定型的なガイダンスにとどまれば、対ドルで円が新安値を試しやすい。
日銀ガイダンスをめぐるボラティリティ戦略
当社は、日銀の次回金融政策決定会合を前に、円相場が急変し得る点にデリバティブ投資家は備えるべきだと考える。据え置きは99.3%までほぼ完全に織り込まれているが、真の機会は今後の会合に関するガイダンスにある。USD/JPYのサプライズを捉えるボラティリティ戦略に焦点を当てたい。
最近のデータは政策転換を後押ししている。日本のコアインフレ率は2.1%で安定し、賃金も一貫した上昇モメンタムを示している。過去には、中銀の予想外のタカ派発言がドルに対して円を3〜4%急伸させる引き金となった。日銀が10月利上げの可能性に言及すれば、警戒感の薄い市場を不意打ちすることになり得る。
円取引:タカ派・ハト派シナリオ
タカ派サプライズに備える取引として、USD/JPYの短期プット購入を推奨する。これにより、市場が次の利上げ時期を12月ではなく秋に織り込み始めた場合、ポジション価値が急速に上昇する。低コストで通貨ペアの大きな下方向(ドル安・円高)を取り込む手段となる。
一方で、日銀が従来の反復的な表現に終始する場合、円は歴史的安値圏に向けて下落しやすい。このハト派シナリオに対しては、USD/JPYのブル・コール・スプレッドを検討したい。円安の進行から利益を得つつ、下振れリスクを限定できるためだ。資本を守りながら、過去の円安局面で意識された重要水準である160の再トライの可能性に備えるポジショニングとなる。
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