中東情勢の拡大と、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策決定および声明を控えた様子見姿勢を背景に、水曜日はリスク選好が後退した。サウジアラビアは、イラン革命防衛隊(IRGC)によるサウジ石油施設へのドローン攻撃への報復として、米国とともにイラク国内の親イラン勢力を攻撃。これに対しイランは、ヨルダンの米軍基地を攻撃したと発表した。原油は2日続落から反発し、WTIは1バレル=81ドルを上回り約4%高。北海ブレントは先週木曜日に1バレル=100ドル超から値を崩し、火曜日終値は84.09ドル、3日間で16.5%下落した後、東京時間序盤の取引で4%超反発した。
ドル指数(DXY)は101.30近辺で推移し、ポジションは慎重なまま。CMEのFedWatchツールは0.25%(25bp)利上げの確率をおよそ30%と示唆している。ユーロ/ドルは1.1400近辺で底堅く、ポンド/ドルは1.3300を上回る水準へ小幅上昇、ドル/円は163.50近辺へ軟化。豪州ではCPIが(前年比)6月に3.8%へ鈍化し、予想の4%を下回ったことで、豪ドル/米ドルは0.6950近辺まで下落し2週間ぶり安値を付けた。金は2日続落後も4,000ドル台を維持した。
石油・債券・通貨における市場ボラティリティ
原油は、3日間の急落後に約4%の急反転となり、1バレル=81ドル超で取引されている。デリバティブ取引を行う投資家は、強いボラティリティに備える必要があるとみる。1990年の湾岸戦争時のショックのように、中東で地政学的緊張が急激に高まる局面では、原油ボラティリティ指数が数日で50%超急騰した例もある。方向性リスクを抑えつつ大きな値動きから収益機会を狙う手段として、WTIおよびブレントのオプションを用いたロング・ストラドル(同一行使価格でコールとプットを同時買い)を推奨する。
FRBの政策判断は市場にとって高い緊張感を伴うイベントであり、「サプライズ利上げ(25bp)」の確率が約30%と織り込まれていること自体が神経質さを増幅させている。仮に据え置きでもタカ派的なトーンが維持されれば、米国・欧州・英国のフロントエンド金利(短期ゾーン)が上昇する可能性が高い。イールドカーブのフラット化局面を見込み、短期債先物に対するプットオプションの購入を提案する。
為替市場では、豪州のインフレ率が6月に3.8%へ鈍化したことを受け、豪ドル/米ドルは0.6950近辺で強い下押し圧力にさらされている。ユーロ/ドルが1.1400、ポンド/ドルが1.3300で比較的安定しているのに対し、この乖離は豪ドルの相対的な脆弱性を示す。リスク資産の広範な売りに備えたヘッジとして、豪ドルのアウト・オブ・ザ・マネーのプットオプション購入を推奨する。
地政学リスク上昇局面での防衛策としての金
最後に、金が歴史的な4,000ドルの節目を上回って安定している点は、地政学的緊張が高まる中でディフェンシブ・ポジションを構築するうえでの強い土台となる。過去には、中東紛争が激化する局面で金が二桁上昇した例もあり、価値保存手段として機能してきた。高水準ゆえのオプション・プレミアム負担を抑えつつ上値取りを狙う手段として、金先物でのブル・コール・スプレッド(コール買い+上方行使価格のコール売り)を推奨する。
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