USD/JPYは2日続けて上値の重い展開となり、月曜日のアジア時間は163.60近辺で推移した。週末に米国がイランへの攻撃を見送り、テヘランも報復行動を一時停止したことで原油価格が下落し、日本円はこれを支えに底堅さを示した。日本は中東産原油への依存度が高く、エネルギーコストの変動や供給途絶リスクに対して通貨が敏感に反応しやすい。米ドルも、13日間にわたって激化した衝突の後に緊張緩和の「一時停止」が入ったことでリスク回避が後退し、軟化した。ただし、イラン支援を受けるイエメンのフーシ派が紅海沿岸でサウジ施設を攻撃したと表明しており、警戒感は残る。
国内政治も重しとなった。読売新聞によれば、高市早苗首相の支持率は7月に低下し、昨年の就任以来最も低い水準となった。生活費上昇に加え、円安が40年ぶり水準まで進むなかで、拡張的政策の下で国債利回りも上昇している。報道によると、米国が攻撃を見送った背景には、迎撃ミサイルの在庫減少やイラン側の有効標的の目減りへの懸念があり、ダン・ケイン大将が金曜日、作戦継続は主要弾薬の備蓄を圧迫すると警告したと伝えられた。市場ではFRBは水曜日に政策金利を据え置く見通しで、9月の利上げ再開が織り込まれている。一方、日銀も金曜日に現状維持が見込まれている。
地政学・エネルギーリスク下でのUSD/JPYボラティリティ戦略
USD/JPYが163.60近辺で推移するなか、当社はデリバティブ投資家が今後数週間での大幅なボラティリティ上昇に備えるべきだと考える。米・イラン間の緊張が一時的に停止したことで円は短期的に持ち直したが、地政学およびマクロの根本要因は依然として極めて不安定である。今週は重要な中央銀行会合が控えていることから、方向性を問わず急変動からの収益機会を狙えるロング・ストラドル(同一行使価格のコールとプットの同時買い)戦略の活用を推奨する。
日本は原油輸入の90%超を中東に依存しており、エネルギー供給の突発的な混乱に対して円は極めて敏感だ。原油価格は一時的に低下しているものの、フーシ派によるサウジの紅海沿岸施設への攻撃が続けば、原油が再び急騰するリスクがある。中東のエネルギーインフラが攻撃を受けた場合の急激な円安に備えるヘッジとして、アウト・オブ・ザ・マネーのUSD/JPYコールオプションを買い、急騰局面の捕捉を提案する。
中央銀行会合と政治要因が主要カタリストに
今週は、水曜日のFRB、金曜日の日銀と中央銀行会合が続き、ボラティリティの大きな触媒となる。両行とも当面は金利据え置きが広く予想される一方、FRBがタカ派サプライズとなればUSD/JPYが直近の「40年ぶり高値」を上抜ける可能性がある。オプションは期近中心とし、プレミアムを過度に支払わずに会合後の反応を取り込む目的で、1〜2週間程度の短期満期に絞ることを助言する。
さらに、高市首相の支持率急低下は日本国債に対する国内政治面の圧力を強める。拡張的な財政政策は10年物国債利回りを複数年ぶり高水準へ押し上げており、円にとって予測困難な環境を形成している。債券先物市場を注意深く監視し、利回りが急騰する局面では円キャリートレードの巻き戻しが激しくなり得る点に留意したい。
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