金(ゴールド)は木曜のアジア取引で、2週間超ぶり高値から小幅に反落した後も4,100ドル台を維持した。ただ、米国債利回りの上昇が上値を抑えた。原油は、米国とイランが12夜連続で攻撃を応酬したことを受け、6月11日以来の高値へ上昇。さらに、イランと連携するイエメンのフーシ派が、世界の石油供給の約7%を扱う紅海航路の封鎖を宣言した。ホルムズ海峡での船舶通航量の減少と相まってインフレ懸念が強まり、FRB(米連邦準備制度理事会)の引き締め継続観測が浮上。CMEのFedWatchでは、年末までの利上げ確率が90%超と織り込まれており、10年国債利回りは約2カ月ぶり高水準近辺で推移している。一方、米ドルが軟化したことで金相場には一定の下支えも入った。
テクニカル面では、XAU/USDは4,155〜4,165ドル近辺で伸び悩み。同水準は4時間足の200期間EMA(指数平滑移動平均)と、4〜6月の上昇局面に対するフィボナッチ23.6%戻しが重なるポイント。モメンタム指標は概ね良好で、RSIは63近辺、MACDもプラス圏を維持するが、上昇を4,164.97ドル、次いで4,303.59ドルへ拡大するには明確な上抜けが必要とされる。下値支持は3,940.90ドル。目先の変動要因として、米新規失業保険申請件数とECB理事会に注目が集まる。
Gold Strategy and Bond Market Dynamics
金が4,100ドル台を小幅に上回る水準で保ち合うなか、デリバティブ取引では、明確なブレイクアウトの確認までは大きな方向性ポジションを控える戦略を推奨する。重要な注目水準は4,155〜4,165ドルのレジスタンス帯で、現状は上値を抑える形となっている。ここを上抜けた場合、次の主要レジスタンスである4,303ドルをターゲットに、短期のコールオプション買いを検討したい。
市場が年末までの利上げ確率を90%と織り込む以上、米国債利回りは高止まりしやすい。利回り上昇局面では、利息を生まない金のような資産は相対的に逆風となり、足元で上昇が抑制されている背景と整合的だ。この流れを取りに行く手段として、金利先物の売買や、10年利回りが数カ月ぶり高水準を試す局面での米国債デリバティブのショート(売り)を提案する。
Oil Markets, Inflation Risks, and Tactical Positioning
中東情勢の緊迫化により重要航路が遮断され、世界の日量供給の約7%に相当する石油供給が脅かされている。これが原油先物を押し上げ、インフレ再燃懸念を通じて中銀のタカ派姿勢を長引かせるリスクがある。突発的な供給ショックへのヘッジとしては、原油コールオプションの活用を推奨しつつ、ボラティリティの高いエネルギーデリバティブ市場の動向を注視したい。
RSIが63といったテクニカル指標は買い方優位を示唆する一方、勢いは鈍化しつつある。金が現在のレジスタンスを上抜けできず反落する場合、3,940ドルの堅い下値支持に向けた調整に備える必要がある。このシナリオでは、既存ポートフォリオの防衛、あるいは短期的な下押しによる利益獲得を狙い、プットオプションの活用が有効となる。
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