EUR/GBPは火曜日、英ポンドが軟化するなかで小幅に上昇した。アンディ・バーナム氏の首相就任と、ジョン・ヒーリー氏が「為替の財務相(the chancellor of the exchange)」に指名されたことを受け、英国の財政見通しを巡る懸念が再燃したためだ。本稿執筆時点でクロスは0.8527近辺で推移。直近の下落で1年ぶりの低水準まで沈んでいた。「財政ルールの範囲内で『あらゆる柔軟性』を用いる」との発言は、国債(ギルト)市場への新たな圧力につながった。
ユーロはZEW景況感指数の強さが支援材料となった。ユーロ圏の景況感は7月に23.4と、6月の9.5から上昇して市場予想(11.2)を上回った。ドイツも26.3と、6月の10.5から上昇し、予想(18)を上回った。一方英国では、5月までの3カ月の雇用者数が前回の+10.0万人に続き+14.7万人となり、ILO失業率は4.9%と予想(5.0%)に反して横ばい。市場の焦点は水曜日発表の英国CPI(消費者物価指数)とPPI(生産者物価指数)に移っている。
EUR/GBP反発に向けたデリバティブポジショニング
当社は、デリバティブ投資家は今後数週間でEUR/GBPが着実に反発すると見込み、0.8700水準を目標にポジション構築すべきだと考える。足元では1年ぶり安値の0.8527近辺で推移しているが、下落モメンタムは減速しつつある。急な下振れリスクを抑えつつ反転を捉える手段として、EUR/GBPのコールオプション買い、またはブル・コール・スプレッドの活用を推奨する。
この見方の背景には、アンディ・バーナム首相への政治的移行を受けて英国の財政不安が強まっている点がある。「財政ルール内での『柔軟性』」に言及したことで債券投資家の不安が高まり、英国10年ギルト利回りは4.3%近辺へ上昇した。財政の不確実性は英ポンドの上値を抑え、通貨の追加的な上昇余地を限定するとみられる。
一方で、ユーロ圏の経済指標は予想以上の底堅さを示しており、ユーロの下支え要因となっている。7月のZEW景況感は23.4へ急伸し、ドイツの景況感も26.3へ跳ね上がって予想を大幅に上回った。こうした経済面の温度差は、EUR/GBPのプットオプションの妙味を薄れさせ、上方向のエクスポージャーを選好する当社見通しを後押しする。
英国指標とボラティリティ・リスクの管理
また、明日予定されている重要な英国インフレ指標の発表に伴う短期的なボラティリティ上昇にも備える必要がある。歴史的に見ると、政治変化の局面でインフレが想定外に低下した場合、ポンドが急落する場面があった。主要指標発表前後の価格変動を狙う手段として、短期のストラドル戦略の検討が有効となり得る。
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