USD/JPYは162.50のすぐ下で概ねレンジ相場となっており、週次では約0.1%高。163.00近辺では繰り返し上値を抑えられる一方、162.00付近には安定した買いが観測される。4月下旬から5月下旬にかけての過去最大となる11.7兆円規模の円買い介入により、一時は150円台半ばまで押し戻されたが、この動きは6週間足らずで解消。6月30日までに162.50をやや上回る水準へ戻り、これは1986年12月以来の円安水準となった。金利差が引き続きポジションの下支え材料である。日銀は6月に政策金利を1.00%へ引き上げ、1995年以来の高水準となった一方、FRBは3.50%〜3.75%を維持しており、ギャップは概ね275bp。今会計年度の国債費(利払い等)が国家予算の約4分の1を占めるとされ、日銀がFRBに追随できる余地を制約している。
注目は7月23日23:30(GMT)発表の日本の6月全国CPI。前回は総合が1.5%、生鮮食品を除くコアが1.4%で、いずれも2%目標を下回った。米国では7月28〜29日のFOMCを前に、新規失業保険申請件数(20.8万件)やフィラデルフィア連銀景況指数(41.4)が材料視され、ミシガン大学消費者信頼感指数は金曜14:00(GMT)に発表予定。日本の貿易統計は7月21日23:50(GMT)に公表され、輸出は前年比+16.8%だった。テクニカル面では、上値抵抗として163.00(上抜けで164.00余地)、下値支持として162.00、その下に161.50、50日EMAが位置する161.00近辺が挙げられる。
ボラティリティ圧縮とブレイクアウト機会
重要な中銀判断を目前に、USD/JPYは162.50水準にタイトに張り付き、「巻かれたバネ」のような状態にある。為替レートが1円幅の狭いレンジに固定されている局面では、歴史的に見てもこのような極端なボラティリティ圧縮が長続きすることは稀だ。足元の日中レンジは年初来で最もタイトであり、デリバティブ市場ではブレイクアウトが近いことを前提に備える局面とみる。
現状、円の1カ月インプライド・ボラティリティは低下基調にあり、オプションは相対的に割安となっている。163.00の節目が主要トリガーとして機能しやすいことから、上下いずれの急変にも備えられるストラドルやストラングルの購入を推奨する。この戦略は、日銀とFRBのどちらが先に相場を大きく動かすかを当てにいかずとも、不可避とみられるブレイクアウトを取りにいける。
不確実な結果に備えるリスク管理戦略
275bpの金利差に着目する投資家にとって、163.00の天井付近でスポットのキャリートレードを純粋に回すのは極めてリスキーになっている。その代替として、レートが急落した際に自動的に防御的ヘッジが発動するノックアウト型フォワードやバリア・オプションの活用が有効だ。こうしたストラクチャーにより、金利収益を確保しつつ、春に見られた過去最大11.7兆円規模の介入に類似した急反転からポートフォリオを守れる。
重要日程は、7月23日の日本のインフレ指標と7月29日のFRB判断である。東京のコアインフレが2.0%目標を下回って推移する、あるいは米国が追加利上げを示唆する場合、163.00を速やかに上抜けて164.00を試す展開を見込む。一方、162.00の支持を割り込む急落が生じれば、ストップロスを巻き込みやすく、割安なプットオプションが高収益資産へ転じる可能性が高い。
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