中東情勢の緊迫化と中銀のインフレ注視でドル安、ユーロ/ドル上昇

by VT Markets
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Jul 9, 2026

EUR/USDは木曜日、米ドルが軟化する一方で市場が中東での敵対行為再燃を見極めるなか、小幅に上昇した。通貨ペアは1.1444近辺で推移し、日中0.25%高。米ドル指数(DXY)は主要6通貨バスケットに対して、一時100.79まで下落した後、100.90前後で推移した。米国とイランの最新の緊張激化によるドル支援は限定的で、ワシントンとテヘランの暫定的な和平合意が維持されるかどうか不透明であることが値動きに反映された。

エネルギー価格に絡むインフレ懸念も再燃した。世界の原油輸送量の約20%を担うホルムズ海峡を巡る安全保障リスクを背景に原油が反発したためだ。この環境は金融引き締め観測を強めている。市場は年内に欧州中央銀行(ECB)が追加利上げを行う可能性を織り込み、CMEのFedWatchツールは9月会合で米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げする確率を63%と示している。ECBとFRBの6月会合議事要旨はいずれもインフレ上振れリスクへの継続的な警戒を示し、来週公表されるインフレ指標に注目が集まるなか、FRBは2%目標を維持している。

米ドルの弱さと地政学的不確実性

米ドルには軟化が見られ、EUR/USDは1.0850水準へと押し上げられている。中東で緊張が再燃し、市場が足元ではドルを保有することにやや慎重になっていることが背景にある。状況はなお不透明で、当面は大きな値動きは抑制されている。

注視している主なリスクはエネルギー主導のインフレで、ブレント原油は1バレル=88ドルまで持ち直した。主要な海上輸送路を巡る安全保障上の懸念の高まりが価格に上昇圧力をかけている。これはインフレ期待に直結し、中央銀行が極めて注意深く見ている要因だ。

中央銀行政策、インフレ、そして先行するボラティリティ

最新の米国の6月インフレ指標は予想を上回る3.4%となり、FRBのタカ派姿勢を裏付けた。大西洋の反対側でもユーロ圏インフレは2.8%と粘着的で、ECBも緩める余地は乏しい。その結果、市場では両中銀ともに高金利を長期化させるとの見方が織り込まれている。

この構図は、今後数週間にかけてEUR/USDのような通貨ペアでボラティリティ上昇に備える必要があることを示唆する。地政学リスクと中央銀行政策の綱引きが不安定な環境を生む。EUR/USDでストラドルやストラングルの買いといったロング・ボラティリティ戦略は、上下いずれにも急変する可能性を取引する上で有効になり得る。

来週公表される米国およびユーロ圏のインフレ報告に注目している。これらの数字は、次回会合に向けた政策当局のトーン形成において極めて重要となる。予想外に高い結果となれば、市場の大きな反応を引き起こし、ロング・ボラティリティのポジションを正当化し得る。

こうした展開は過去にも見られた。とりわけ1970年代のオイルショック期が典型例だ。エネルギー供給を混乱させる地政学イベントは歴史的にインフレの粘着化を招き、中央銀行に攻撃的な対応を強いてきた。この歴史的前例は、市場がよりボラタイルな局面に入りつつあるとの見方を支える。

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