連邦準備制度理事会(FRB)の分裂したスタンスと変化する市場の織り込み
米ドル指数(DXY)は水曜日、6月16~17日開催分のFOMC議事要旨が日本時間ではなくGMT18:00に公表された後、101.00近辺で推移した。会合は政策金利(FF金利)誘導目標レンジを3.50%~3.75%に据え置くことを全会一致(12対0)で決定したが、議事要旨では表面下の意見対立が示され、一部参加者は即時利上げを主張する一方、タイミングの観点から「一時停止」を受け入れたことが明らかになった。年末時点の金利見通しも割れており、6月のドット・プロットでは18名中9名が年内に少なくとも1回の利上げを支持、据え置きは8名、利下げは1名だった。また複数の参加者が「現行政策は引き締め的ではない」と述べた。委員会は緩和寄りの文言も削除し、議長は政策枠組みに関する独立した5つのタスクフォースの設置を発表した。
スタッフ試算では、5月の総合PCEインフレ率は4.1%、コアは3.4%近辺とされ、背景として関税転嫁、ホルムズ海峡封鎖による供給途絶、AI関連需要などが挙げられた。2026年の総合インフレ率見通しは3月時点の2.7%から3.6%へ上方修正された。市場の織り込みも変化している。6月以前は、ディーラーは2027年初まで据え置きで第2四半期に利下げと見ていた一方、市場は2027年半ばまでに利上げを織り込んでいた。現在の織り込みは、7月利上げ確率が概ね3分の1、9月を優勢視し、年末に向けて4%近辺を示唆している。2年米国債利回りは先進国の同業他国に対して上昇した一方、市場はECBと英中銀(BoE)についても少なくとも各1回の利上げを依然織り込む。米CPIは7月14日12:30 GMTに発表予定で、7月28~29日のFOMCを控える。テクニカル面では上値抵抗が101.27および101.50、下値支持が101.00、次いで100.95、100.50とされ、5分足のストキャスティクスRSIは25近辺にある。
根強いインフレの下で強まるFRBのタカ派トーン
FRBの6月会合の議事要旨は、これまでの見立てを裏付けた。委員会は据え置きよりも利上げに傾きつつある。投票は全会一致で据え置きだったものの、議論では深い分裂が浮き彫りとなり、多くの当局者が現状の政策スタンスは十分に引き締め的ではないとみている。この内部議論は、新たなデータと相まって、今後の想定シナリオを形作る。
インフレ局面はこのタカ派傾斜を引き続き正当化している。直近の5月消費者物価指数(CPI)は総合インフレ率が前年比4.5%と高止まりし、FRB目標を大きく上回った。先週の6月雇用統計では雇用者数が25万人増と堅調で賃金上昇も底堅く、需要を冷ますための追加利上げ論は強まりつつある。
市場の反応とドル見通し
この変化はデリバティブの市場織り込みに直接反映されている。次回7月29日のFOMCで25bpの利上げが行われる確率は足元で60%超へ急上昇し、数週間前から大きく跳ね上がった。これは、オプション・先物市場が月末時点でFF金利が4.25%~4.50%となるシナリオに積極的に備えていることを意味する。
こうしたリプライシングは、主要通貨との金利差拡大を通じて米ドルを強く下支えしている。米ドル指数(DXY)は現在105.50近辺でしっかりと推移しており、昨年末以来の水準だ。米国債利回り上昇が資金流入を促している。一般に、今回のようなFRBの政策スタンスの乖離局面は、一貫してドル高につながってきた。
この環境を踏まえ、今後数週間はドル高基調の継続を想定する。特に7月14日に発表予定の6月CPIを前に、DXYの下押し局面は買い場とみる。DXYのコールオプション購入やブル・スプレッドなどのデリバティブ戦略は、インフレが再び上振れした場合の上昇局面を、リスクを限定しつつ取り込む手段となり得る。
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