HSBC、党首選と英米金利差縮小、財政規律の緩みによりポンド下落リスクを警戒

by VT Markets
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Jun 30, 2026

HSBCは、スターマー英首相の辞任を受けて英与党の党首選と次期首相の政策スタンスに市場の関心が移ったことで、ポンドは下振れリスクが一段と高まっているとみている。候補者の届け出期限は7月9日。さらに、6月22日付のPolymarketデータに基づく「アンディ・バーナム氏が無投票で選出される」シナリオでは、権力移行が迅速に進み、7月16日までに同氏が就任する可能性があるという。

同行はまた、マクロ環境の弱さも指摘する。英米2年金利スプレッドは4月の約66bpから足元では概ね0bpまで縮小しており、ポンドのキャリ―面での下支えが低下している。背景として、6月17日の米FRBのタカ派化と、英中銀(BOE)が年末まで政策金利(Bank Rate)を3.75%に据え置くとの見通しを挙げた。財政面でも悪化が目立つとして、政府借入が2カ月連続で予算責任局(OBR)の予測を上回り、今後数カ月にわたり通貨への圧力が強まる可能性があるとした。


政治的不確実性と通貨の下振れリスク

政治的不確実性と弱含む経済指標を踏まえると、向こう数週間、英ポンドは下方リスクによりさらされやすいとみる。候補者の届け出が7月9日まで行われない党首選は、空白期間を生み、通貨の重しとなっている。足元の取引でGBP/USDはすでに1.2520を下回っており、こうした圧力の兆候が見られる。

政治的な移行局面は不確実性を押し上げており、オプション市場にもそれが表れている。ポンドのインプライド・ボラティリティは上昇しており、トレーダーが価格変動の拡大に備えていることを示唆する。このため、デリバティブ・ポートフォリオを見直し、適切にポジションを構築するうえで重要な局面となる。


マクロ・財政要因が為替戦略に与える影響

英米2年金利差がほぼゼロまで崩れたことで、マクロ環境はもはやポンドを下支えしていない。これにより、かつて資本流入を呼び込んだキャリー優位性が失われつつある。とりわけ、最新の米非農業部門雇用者数(NFP)が25万人増と堅調な結果となり、米FRBのタカ派姿勢が織り込まれやすい状況が続く。一方、BOEは政策金利を3.75%で据え置くとの見方が強く、ポンド買いに新たな誘因を提供できていない。

さらに、英国の財政状況の悪化も通貨への懸念材料を増やしている。5月の政府借入は200億ポンドとなり、OBR予測を2カ月連続で大きく上回った。これは、2022年の「ミニ・バジェット」危機後に英国資産が急落し、市場が財政運営への不信を強めた局面を想起させる。

こうした環境下では、ポンド下落の可能性から収益機会を得る戦略を検討している。具体的には、7月下旬または8月満期のGBP/USDプット・オプションの購入が、追加の下落に備えるうえで妥当な手段だと考える。このアプローチにより、為替レートの下落に加え、足元で高止まりしているインプライド・ボラティリティの恩恵も取り込める。

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