EUR/USDは、ECBのラガルド総裁が13時30分(米東部時間)にECBのシントラ・シンポジウムの開会挨拶を行うのを市場が待つ中、短期的なチャネル内での推移が続いた。同フォーラムは「Shaping Europe’s Future; Innovation, Growth and Stability(欧州の未来を形作る:イノベーション、成長、安定)」と題され、今週は主要政策当局者が参加する。水曜日にはFRB議長のウォーシュ氏やカナダ中銀(BoC)のマクレム総裁も登壇予定だ。過去のシントラ会合は、総じて短期の価格動向への影響は限定的だった。
同通貨ペアは、先週1.13台前半の安値から上昇した後、「中立から強気」と位置づけられたが、1.14近辺で上値抵抗に直面した。スポットは1.1360〜1.1450に走るチャネルのレンジ中央付近にあり、値動きは帯域内に抑え込まれていると説明された。ユーロの回復見通しを改善するために必要な節目として、1.15超えのブレイクが挙げられた。
中央銀行政策の分岐とレンジ相場
ユーロは対ドルで狭いレンジ内で取引されており、この状態は今後数週間続くと見込む。市場はシントラ・シンポジウムでのラガルドECB総裁の発言を待っているが、同イベントは歴史的に大きな価格変動を引き起こしてこなかった。通貨ペアは膠着しているように見え、トレーダーは大きなポジションを取りにくい状況にある。
背景にある根本要因は、中央銀行政策の分岐だ。直近データではユーロ圏のインフレ率は2.1%まで鈍化した一方、米国のコアPCEインフレ率は2.9%と粘着的で、FRBの利下げ局面入りを遅らせている。この政策ギャップがEUR/USDの上値を抑え、足元では1.0800〜1.0900のレンジで推移している。
オプション戦略とレンジ継続見通し
この見通しを踏まえると、向こう数週間はオプションの売りが最も妥当な戦略だと考える。市場は低ボラティリティを織り込んでおり、EUR/USDの1カ月インプライド・ボラティリティは5.8%近辺と、過去5年平均の下位圏にある。1.0750〜1.0950のレンジ外に権利行使価格を置いたストラングルの売りは、時間経過に伴うプレミアム獲得を可能にする。
この戦略は、通貨ペアが既存のチャネル内にとどまることで収益化でき、これが最も起こりやすいシナリオだと見ている。対象期間は7月中旬のオプション満期までを想定する。2014〜2015年のような中央銀行政策の分岐局面では、明確なトレンドが形成される前に長期のレンジ相場が一般的だったことが、過去の例から示される。
ただし、シントラでのサプライズには備える必要がある。突発的なブレイクアウトに備えるヘッジとして、トレーダーは安価な大幅アウト・オブ・ザ・マネー(OTM)オプションを買うことができる。相場が上下いずれかに急変した場合でも、小さなコストで保険を確保できる。
レンジ取引の見立てを変更するには、1.0950のレジスタンスを明確に上抜けて定着する展開が必要だ。そうした動きがあって初めて、ユーロの回復がより強いものになったシグナルとなる。それまではレンジ取引を継続する。
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