月曜の欧州時間、AUD/USDは0.6890近辺で推移し、豪ドルが最近の下落後に下げ止まる一方で米ドルが軟化したことを受け、2日連続で方向感に乏しい展開となった。値動きは地政学的な不透明感に左右されたが、ワシントンとテヘランが今週ドーハで再開予定の和平協議を前に、敵対行為の一時停止で合意したとの報道を受け、下押し圧力はいったん和らいだ。木曜にイランの飛翔体が貨物船に命中したことを受けた報復攻撃以降、中東情勢は急展開が続いており、双方は6月17日の暫定停戦合意の違反を巡って非難を応酬。公式代表団は火曜にカタールで会談する予定だ。
豪州では、豪準備銀行(RBA)に注目が移った。クリス・ケントRBA総裁補は、RBAが主たる政策手段としているキャッシュレート目標以外の選択肢を検討し、借入コストがゼロ近傍へ戻るような局面では、国債買い入れ、フォワードガイダンス、流動性供給の拡充といった非伝統的政策を活用し得ると述べた。豪ドルの広範な材料としては、RBAの政策スタンスと2〜3%のインフレ目標、中国(豪州最大の貿易相手国)の動向、そして最大輸出品である鉄鉱石(2021年時点で年間1,180億ドル相当)などが挙げられる。
Geopolitical Risks and Volatility in AUD/USD
足元のワシントンとテヘランの緊張緩和を踏まえると、米ドルに対する「安全資産需要」が後退する可能性がある。ただし情勢はなお流動的であり、AUD/USDのボラティリティは高止まりするとみている。実際、1カ月物インプライド・ボラティリティは足元で9.2%まで上昇している。このため、当面は明確な方向性よりも、急で予測困難な値動きが起こり得る前提で構える。
RBA Policy Outlook and Chinese Economic Impact
非伝統的政策手段に関するRBAの最近の発言は、豪ドルに長期的なハト派の影を落とし、大幅な上昇余地を抑制し得る。金利差(RBAキャッシュレート3.85%に対し、FF金利4.25%)は引き続き米ドルの下支え材料となっており、豪ドルが0.6950を上回って強含んだとしても、その強さは一時的にとどまる可能性がある。
また、中国景気の先行きも注視している。回復はまだら模様で、中国の最新の公式製造業PMIは50.8と、拡大を示すながらも小幅にとどまった。鉄鉱石価格も足元では1トン当たり約114ドルまで軟化し、先月の120ドル超から低下している。豪州の主要輸出品に対する強い需要が見えにくいことは、豪ドルのファンダメンタルズ面での上値余地を限定する。
相反する材料が交錯する中、レンジ相場を見込みつつ急変動にも備える戦略が有効とみる。今後数週間、AUD/USDは0.6800〜0.7000のレンジ内に収まりやすい。レンジ外の水準でオプションのストラングルを売却してプレミアム獲得を狙う戦略は一案となり得る一方、ドーハでの和平協議が頓挫した場合のブレイクアウトに備えたリスク管理が不可欠となる。
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