スペインの6月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.6%上昇し、前回の0.1%上昇から伸びが加速した。これは直近1カ月の物価上昇ペースがより速まったことを示唆している。
この指標では、前月比の変化幅が2期間の間で0.5ポイント拡大した。したがって6月の結果は、これまでに記録されていたよりも消費者物価の上昇が一段と強まったことを意味する。
ECB政策とユーロへの含意
当社は、スペインのインフレ率が急伸したことをユーロ圏経済全体にとって重要なシグナルと見ている。今回の数値は予想を大きく上回り、インフレ圧力が期待されたほど速やかに沈静化していない可能性を示す。次回会合を控える欧州中央銀行(ECB)にとっては難しい局面となる。
このデータにより、次の四半期にECBが利下げに踏み切る可能性は大きく後退する。むしろ、物価圧力の粘着性に焦点を当て、中央銀行のトーンがよりタカ派寄りに傾く可能性があると当社はみる。市場は現在、9月までの利下げ確率を45%程度織り込んでいるが、今後数日でこの確率は大きく低下すると見込む。
為替トレーダー向けには、ユーロが対米ドルで上昇すると予想する。米連邦準備制度理事会(FRB)が年内の利下げの可能性をなお示唆している一方、政策スタンスの乖離はユーロに追い風となるはずだ。当社はEUR/USDのコールオプションに注目しており、3月上旬以来の水準である1.0950を上回る回帰を目標にしている。
欧州市場、債券、ボラティリティの見通し
当社は、欧州株式市場、特にスペインのIBEX35が、金利上昇の可能性を背景に圧迫を受けると考える。IBEX35は年初来で8%超上昇しており、借入コストの上昇は企業収益見通しの重しとなり得る。市場の下押しに備えるヘッジとして、ユーロ・ストックス50指数のプットオプション購入を検討したい。
債券市場では、価格下落に伴い国債利回りが上昇すると予想する。重要なベンチマークであるドイツ10年国債(ブント)利回りは、このニュースを受けて直近高値の2.70%を上抜ける可能性がある。トレーダーは、債券先物のショートなど、利回り上昇の恩恵を受けるポジションを検討すべきだ。
今回のインフレ上振れは、市場の不確実性とボラティリティを高める可能性が高い。比較的落ち着いた水準である13近辺で推移してきたユーロ・ストックス50・ボラティリティ指数(VSTOXX)は、大きく跳ね上がる局面があり得る。市場の値動きの荒さの上昇を狙う手段として、VSTOXXのコールオプション買いはコスト効率の高い取引となり得る。
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