米ドル指数(DXY)は、米指標が根強い物価圧力と堅調な活動を示したことを受け、101.40近辺へとじり安となった。PCE価格指数は5月に前年比+4.1%と、4月の+3.8%から上昇し、市場予想に一致。コアPCEは同+3.4%で横ばいだった。同時に、新規失業保険申請件数は21.5万件へ減少し、1-3月期GDPは年率+1.6%から+2.1%へ上方修正。主要通貨に対してドルは軟化し、EUR/USDは独GfK消費者信頼感が-29.2へ改善したことも追い風に1.1370近辺へ小幅高、GBP/USDは1.3200方向へ上昇した。
アジア時間では、米日金利差が引き続き円の重しとなるなか、USD/JPYは161.80近辺でもみ合い。焦点は6月の東京都区部CPIと、それが日銀政策に示唆する内容へ移っている。AUD/USDは0.6910近辺へ上昇。豪州では5月の雇用者数増加が+40.3Kとなり、失業率は4.5%から4.4%へ低下した。WTI原油は、オマーン近海で船舶が被弾したとの報道を受けホルムズ海峡を巡る懸念が再燃し、1バレル当たり約71.90ドルへ回復。金はドルと米国債利回りの低下を背景に4,030ドル超へ反発した。週末の経済指標としては、ミシガン大学消費者態度指数(確報値)も予定されている。
FRB政策とFX市場のポジショニング
本日の経済指標を踏まえると、FRBの政策運営は複雑さを増しており、金利ボラティリティが当面続く可能性が高い。インフレの粘着性と力強い成長の組み合わせは、市場が織り込む利下げ期待が時期尚早であることを示唆する。現状の織り込み以上に「高金利の長期化」をFRBが迫られるリスクに備え、それをヘッジできるオプション戦略を検討している。
米ドルの小幅な下落は、堅調な米経済指標を踏まえれば新たなトレンドというより一時的反応とみられる。EUR/USDおよびGBP/USDの現水準は戻り売りの好機になり得る。これら通貨ペアのプットオプションを用いることで、今後数週間のドル反発に向けた準備を相対的に低コストで行える可能性がある。
USD/JPYが161.80近辺で推移するなか、日銀による直接介入リスクは極めて高い水準にある。急落局面を狙う観点では、短期のアウト・オブ・ザ・マネーのUSD/JPYプットを買う戦略が、リスク・リターン面で魅力的だと考える。今後公表される東京都区部のインフレ指標は、そのような急変を誘発し得る重要な触媒となる。
コモディティ見通し:原油と金
ホルムズ海峡を巡る地政学的緊張の再燃は原油相場の下値を支え、供給ショックに対する市場の感応度を高めている。WTIではコールスプレッドの買いを検討しており、上昇局面での収益機会を狙いつつ、リスクを限定できる。EIA(米エネルギー情報局)の最新統計で米在庫のタイト化が示されたことも、混乱が起きた場合の価格インパクトが大きくなり得るとの見方を補強する。
金が4,030ドルを上回る上昇は行き過ぎの可能性がある。高金利というファンダメンタルズ要因は、利息を生まない金にとって逆風となるためだ。インフレが予想に一致したことへの反応はあったものの、前年比+4.1%という絶対水準はなおFRB目標を大きく上回る。引き締め的な金融政策へ焦点が戻るにつれ上昇が一服するとの見立てから、より高い権利行使価格のコールを売却する戦略を検討している。
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