USD/CNHは週初に一時6.7979まで上昇した後、6.8195へ急伸した。この動きは「行き過ぎ」と評され、目先は上昇をさらに伸ばすよりも、日中は6.8030~6.8185のレンジでのもみ合いが想定されている。先の見通しでは上昇は6.7850/6.8000の上方レンジ内と位置付けられていたが、その後モメンタムが加速し、想定を上回る展開となった。
1~3週間の時間軸では、米ドルに対する強気スタンスは維持される。6月22日時点(スポット6.7840)では6.8000の試しが可能とされ、6月24日時点(スポット6.7930)では6.8000の上抜けが6.8080、さらには6.8200を開くとの見方だった。今回6.8195へ短期間で到達しモメンタムも強まっていることから、6.8300方向への上押し余地がある一方、サポートは6.7900。前日ベースの強いサポートとして6.7750が挙げられている。
短期見通しと背景要因
USD/CNHの足元の急伸はひとまず一服し、当面は6.8030~6.8185のレンジでの推移(調整・保ち合い)が見込まれる。6.8195への上昇は速かったものの、米ドルの基調に関するポジティブな見方自体は変わらない。短期的なレンジ推移は、次の値動きに向けたポジション構築の機会となり得る。
上昇モメンタムは、ファンダメンタルズ面での景気・金融政策の差に支えられている。中国人民銀行(PBOC)は景気減速へのテコ入れとして、先週1年物ローンプライムレート(LPR)を10bp引き下げて3.35%とした。5月の鉱工業生産が市場予想を下回ったことも背景にある。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を据え置いており、明確な政策スタンスの乖離が米ドル高要因となっている。
戦略的ポジショニングとテクニカル観点
トレーダーにとっては、目標水準6.8300に近い行使価格のUSD/CNHコールオプションを買う戦略が選択肢となり得る。加えて、6.7900に強いサポートが意識されることから、同水準またはやや下の行使価格でプットを売ることで、下値が堅いとの見立てに基づきプレミアム獲得を狙う手も考えられる。
もっとも、直近の急騰でインプライド・ボラティリティが上昇している可能性があり、オプション価格が割高になっているなら、デビット型のコールスプレッドがコスト面で有利となり得る。例えば、行使価格6.8100のコールを買い、同時に6.8300のコールを売る。利益は上限が設定される一方、強気ポジションの初期コストを大きく抑えられる。
過去には6.80~6.83のゾーンが重要な分岐点(ピボット)として機能しており、特に2022~2023年の不確実性が高い局面で意識されてきた。足元のモメンタムがこのゾーンへ向かっていることから、重要水準の再テスト局面となる可能性がある。USD/CNHが6.7900のサポートを維持する限り、米ドル強気の見方は継続する。
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