米ドル/シンガポールドルは、米ドル高とシンガポールのインフレ鈍化を背景に上昇、1.3000のレジスタンスを試す

by VT Markets
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Jun 25, 2026

USD/SGDは、広範な米ドル高に加え、ハイテク株およびAI関連株の売りに伴うリスクセンチメントの悪化を背景に、じり高となった。直近は1.2970。日足のモメンタムは強気とされ、RSI(相対力指数)は買われ過ぎ圏にある。目先はレンジ上限付近でのもみ合いが見込まれ、上値抵抗は1.2980(フィボナッチ76.4%)および1.3030。下値支持は1.29(12月高値から2026年安値までの61.8%フィボナッチ戻し)と、200日移動平均線が50%フィボナッチと重なる1.2840/50が意識される。

シンガポールの5月インフレ指標は予想を下回った。総合CPIは前年比1.8%、コアCPIは同1.4%で、市場予想の1.9%および1.5%を下回った。食品や小売・その他財のインフレ上昇は、サービスインフレの低下に相殺された。また、サービス部門の単位労働費用の伸びが鈍化し、消費も慎重化するなか、国内コスト圧力は緩和していると説明された。世界的にエネルギー価格が落ち着くなか、コアインフレが27年上期にかけて鈍化基調を維持するなら、7月のMAS(シンガポール金融管理局)金融政策会合(MPC)での引き締めを急ぐ必要性は低下する。ただし、米国債利回りの上昇と米ドルの堅調さがUSD/SGDの下支え要因となり得る。

USD/SGD Technicals and Policy Divergence

米ドルは、先週の米雇用統計で5月の非農業部門雇用者数が21.0万人増と堅調だったことを追い風に強含み、USD/SGDを重要な上値抵抗である1.3000に押し上げている。モメンタムは強気だが、RSIが買われ過ぎを示唆しており、上昇の勢いが鈍り始めている可能性があるため、神経質な持ち合い局面となっている。ブレイクアウトか反転かの兆しを探る上で、テクニカル面を注視したい。

米国とシンガポールの政策スタンスの乖離が明確になりつつあり、これがUSD/SGDの上昇を支える。米国のコアPCEは2.9%と底堅く、FRBに金利据え置き圧力を残す一方、シンガポールのコアインフレは予想を下回る1.4%にとどまった。これにより、MASが7月会合で政策スタンスを引き締める動機は乏しい。

Strategies for Trading and Hedging USD/SGD

こうした環境を踏まえると、8月満期で権利行使価格が1.3000超のUSD/SGDコールオプションの購入は、妥当な選択肢となり得る。この戦略は上放れ時の収益機会を取り込みつつ、下方リスクを限定できる。たとえば1.3000のコールを買い、1.3050のコールを売るブル・コールスプレッドは、建てコストの抑制にもつながる。

また、1.2900近辺の強いサポート(2026年3月以降に複数回下げ止まっている)が、別の機会を提供する。権利行使価格1.2850近辺のアウト・オブ・ザ・マネーのプットを売ることには妙味があるとみる。プレミアムを獲得でき、相場が同水準を上回って推移すれば利益となる。これは、USD/SGDが「急落する」のではなく「下支えされる」という見方とも整合的だ。

シンガポール建て資産のエクスポージャーを既に保有する向きには、ナスダックが直近で5%下落したことに象徴されるリスクオフの広がりがリスクとなる。今後数週間のSGD安進行に備え、USD/SGDのフォワードやオプションを用いたヘッジを推奨する。米ドル高が続く場合でも、ポートフォリオの米ドル建て価値の保全に資する。

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