メキシコの6月上旬(前半月)の消費者物価(CPI)は前半月比で0.11%低下し、市場予想の0.1%上昇を下回った。今回の結果は、当該2週間でCPIが低下したことを示し、小幅な上昇を見込んでいた予想とは対照的だ。
結果とコンセンサス予想の乖離は0.21ポイント。市場は、目先の物価動向と政策環境への示唆を見極めるためにデータを精査する見通しで、予想を下回る今回の数字はインフレ圧力の緩和を示す証拠を一段と強める。
利下げ確率と債券戦略
6月上旬の前半月比-0.11%という予想外のデフレ的な結果は、短期的な見通しを変える。このデータは、メキシコ銀行(Banxico)が市場の想定より早期に利下げを検討する可能性を大きく高める。政策金利は足元で11.00%と高水準にあり、今回のマイナスインフレは金融緩和に踏み切る余地を十分に与える材料となる。
このため、TIIEスワップを通じて金利低下に備えるポジションに妙味があるとみる。メキシコ金利の低下の恩恵を受ける取引、具体的にはスワップで固定金利を受ける(レシーブ)ポジションを検討したい。特に今後6カ月以内に満期を迎える契約は、近い将来の政策転換に最も敏感であるため有効だ。
為替への含意とトレーディング戦術
この見通しはメキシコ・ペソにも直接の影響を及ぼす。利下げ観測が強まれば、通貨を支えてきた魅力的な金利差が縮小し、現在1ドル=17.50ペソ近辺で推移する相場の重しとなり得る。向こう数週間のペソ安に備えるヘッジないし投機戦略として、USD/MXNのコールオプションを買うのが妥当と考える。
歴史的にペソは金融政策期待の変化に敏感だ。非景気後退局面でインフレがこれほど下振れサプライズとなった前回、Banxicoは数週間以内によりハト派的な姿勢を示唆し、為替ボラティリティが目立って上昇した。今回も同様の環境が形成されると見込み、想定される価格変動を管理する手段としてオプションが有効となるだろう。
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