EUR/USDは3日続落となり、直近6取引日のうち5回目の下落。水曜日のアジア時間には約1年ぶりの安値圏となる1.1365近辺まで下げ、日中で約0.15%安となった。米ドル高が背景にある。市場では根強いインフレを受け、年末までの米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測が強まった一方、イランの核開発計画を巡る米国とイランの相反するシグナルがリスク・プレミアムを押し上げた。こうした状況は、主要通貨バスケットに対するドルの強さを示すドル指数を13カ月ぶり高水準に押し上げ、欧州中央銀行(ECB)のタカ派姿勢を上回る形でドル買いを支えた。
チャート面では、EUR/USDは4時間足の100期間単純移動平均線(SMA)を上回って維持するのに苦戦しており、1.1500割れが下落基調を補強した。相対力指数(RSI、14)は21付近と売られ過ぎ圏にあり、MACDヒストグラムもマイナス圏で推移しているものの、「安定しつつある」とされた。反発局面では、100日SMAの1.1544近辺が上値抵抗として意識されやすく、短期的な下押し圧力を和らげるには同水準の回復が必要となる。
Shift in Central Bank Dynamics and Market Drivers
ドル高が持続した過去局面を振り返ると、現状の市場には明確な類似点が見られるものの、各中銀の役割はある程度逆転している。足元のEUR/USDは1.0950近辺で推移しており、過去の分析で触れた安値圏からは大きく状況が変化している。主因は、攻撃的なFRBではなく、より引き締め姿勢を強めるECBにある。
直近データではユーロ圏のコアインフレ率が3.2%で粘着的に推移する一方、米CPIは2.8%へ鈍化した。この乖離を踏まえると、FRBが利上げ休止の可能性を示唆するなか、ECBの方が相対的に引き締め姿勢を維持する余地が大きいとの見方が強まる。こうしたファンダメンタルズ環境は、今後数週間にかけて「ドル高局面をユーロに対して売る」ことが市場の主要テーマになり得ることを示唆する。
Strategies for Trading Volatility and Key Levels
デリバティブ取引の観点では、中銀スタンスの乖離は価格変動(ボラティリティ)の拡大を招きやすく、大きな値動きの確率を高める。このため、ボラティリティ上昇を取り込む戦略として、2026年8月限のEUR/USD先物に対するアット・ザ・マネーのストラドル(同一行使価格のコールとプットを同時購入)の検討余地がある。CboeのFXボラティリティ指数は過去1カ月で既に5%上昇しており、市場がより大きな変動を織り込み始めている兆候といえる。
上昇モメンタムを踏まえると、オプションを用いた方向性取引も選択肢となる。行使価格1.1000のEUR/USDコールの購入は、比較的低いプレミアムで心理的節目の上抜けに賭ける手段となる。歴史的にこうした節目を突破するとモメンタムが加速しやすく、オプション活用により、仮に上値抵抗が維持された場合でも損失を限定できる。
もっとも、過去サイクルではセンチメントが急変し得る点に留意が必要だ。以前の戻り局面では1.1500が強い上値抵抗として機能した経緯がある。したがってロングポジションは、急反落に備えてアウト・オブ・ザ・マネーのプットでヘッジを組み合わせることが望ましい。日足RSIが70近辺に接近していることもあり、買われ過ぎの兆候が出始めている点には警戒が要る。
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