NZD/USDは週明け月曜のアジア時間序盤も上値の重い展開となり、0.5735近辺で推移した。中国人民銀行(PBOC)が政策スタンスを据え置いたことを受け、ニュージーランドドルは下押し圧力を受けた。中銀は中国のローンプライムレート(LPR)を維持し、1年物LPRは3.00%、5年物LPRは3.50%で据え置かれた。キウイ(NZD)は引き続き、中国関連の地合いを映す「代理指標」として取引されている。
市場はまた、米国とイランの和平合意を巡る動向も見極めている。これはリスク感応度の高い通貨への需要と、米ドルのディフェンシブな魅力との間で資金配分を揺さぶり得る要因だ。別途、米連邦準備制度理事会(FRB)は先週、政策金利を3.50%~3.75%で据え置いた。これはケビン・ウォーシュ議長の初会合後の判断となる。デリバティブ市場では、先物の織り込みから9月に25bpの利上げが基本シナリオとみられる一方、次回会合での利上げ確率も一定程度示唆されている。
NZD/USDの見通しと、中国・米国発の材料
0.5735近辺でのNZD/USDの弱さを踏まえると、今後数週間にかけても下落基調が続くとみる。PBOCが主要な貸出金利を据え置いたことは、短期的に大規模かつ積極的な景気刺激策が打ち出されにくいことを示唆し、中国景気の代理指標としてのNZDに対する見方に直接影響する。ニュージーランドの最新の貿易統計(2026年5月)では、対中輸出が総輸出の31%を占めており、中国の経済政策への感応度の高さが改めて確認できる。
一方、相手通貨である米ドルの強さは、タカ派的なFRBにより下支えされているように見える。ウォーシュ議長が「物価安定」を重視する姿勢を示した後だけに、とりわけ市場が9月の利上げを織り込む中では、利上げ再開の可能性を軽視できない。直近の米CPI(2026年5月)ではコアインフレ率が3.9%と高止まりしており、FRBが利上げに戻る根拠を補強している。
ボラティリティ要因とデリバティブの機会
依然として不確実要因(ワイルドカード)となっているのは米・イラン協議で、市場の不透明感を大きくしている。先週はNZD/USDオプションのインプライド・ボラティリティが14.5%と3カ月ぶり高水準に上昇しており、市場の警戒感を映している。これは、地政学ヘッドラインで相場が急変しやすかった2015年のような相場環境を想起させる。
デリバティブ投資家にとっては、NZD/USDの一段安を狙いつつ、和平合意による急反発(リバーサル)に備えたヘッジが有効となり得る。FRBの利上げ観測が高まる9月に合わせ、9月満期のNZD/USDプットオプションの購入を検討する。プレミアムは高めだが、リスクを限定しながら、2025年末に見られた0.5600水準への下落をターゲットとする手段となる。
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