円は水曜日、対米ドルで5週間ぶりの安値圏から持ち直した。高市早苗首相が、円安に対して東京が対応する用意があると述べたことが材料視された。ドル/円は160.00近辺から反落し、取引時間中に159.55を付けた。高市首相は、為替政策は国内経済を下支えするうえで重要だとしたうえで、必要があればいつでも行動し得ると重ねて表明。4月30日の動きに先立って聞かれた発言と同様のトーンだった。さらに、実需に基づかない取引、投機的な動きなどが増えているとも指摘し、望ましくない円安に対抗するため、米国を含むより深い国際協調にも言及した。
これに先立ち、片山さつき財務相は当局が必要に応じて対応すると述べ、植田和男日銀総裁が利上げに前向きな姿勢を示す可能性を示唆した。ドル/円は4月30日、介入があったとされる局面で約400pips下落した後、徐々に160.00近辺まで戻していた。円相場の広範な変動要因としては、日銀の政策スタンス、日米金利差(国債利回り格差)、リスクセンチメントの変化が挙げられる。加えて、日本の原油輸入国としての脆弱性、低いJGB利回り、日銀の引き締めをめぐる不透明感も焦点となっている。2013〜2024年の日銀の超緩和政策は円安要因となった一方、2024年の政策転換と他国での利下げを背景に、米国と日本の10年債利回り格差は縮小しつつある。
介入リスクと防衛的な戦略
ドル/円の160.00水準は、日本当局による介入の明確なラインとして映るため、極めて注意深く見ている。足元で聞かれる強い口先警告は、過去に直接的な市場介入に先立って出たものとほぼ同じである。このため、現時点でドル/円のロングを保有することは、特にリスクが高い。
円には、日米の金利差が大きいことを背景とした強い下押し圧力がなお残る。現時点で米10年国債利回りはおよそ3.85%である一方、日本の10年国債利回りは約1.10%にとどまる。275bp超の大きな格差は、高金利のドルを買うために円を売る動きを引き続き促している。
2024年春の介入も想起される。当局は通貨防衛のため過去最大の9兆7900億円を投じた。同様の動きが今起きれば、ドル/円が急速に3〜5円下落し、過度にレバレッジをかけた投資家の利益を一掃しかねない。過去の例から、介入は急激で、投機筋に最大の痛みを与えるよう設計されていることが分かる。
急変の確度が高いことを踏まえると、今後数日間はドル/円のプットオプションを購入する戦略が妥当だと考える。既存のロングのヘッジにも、介入起因の下落を見込んだ直接的なポジションにもなり得る。ボラティリティ上昇局面では、オプションはこの特有のイベントリスク管理に有効なツールとなる。
中期見通しはなお強気
もっとも、介入主導の下落は、中期的には押し目買いの好機になり得るとみている。日銀の引き締めは非常に緩やかに進む一方、FRBの政策金利は大幅に高い水準にある。根本的な金利差が大きく縮小しない限り、ドル/円は最終的に上昇方向への力学が再び優勢になる可能性が高い。
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