ユーロ圏のHCOB総合PMI(購買担当者景気指数)は5月に48.5となり、市場予想(47.5)を上回った。景況感の拡大と縮小の分岐点である50.0は依然として下回るものの、当月の活動が想定ほど弱くなかったことを示唆する。
市場は、この上振れが需要の持ち直しを映しているのか、それとも総合指数に表れるサービス・製造業の一時的な底堅さによるものかを見極めることになる。ただし指数は縮小圏にとどまっており、予想比での改善にもかかわらず、域内のモメンタムがなお鈍いという見方を補強するデータでもある。
Implications For The Economic Outlook And ECB Policy
5月PMIは48.5と、ユーロ圏経済が依然として縮小局面にある一方、市場が想定したほどには失速していないことを示した。私たちは、これを力強い回復のシグナルとは捉えないが、景気悪化の度合いが和らいでいることを明確に示すものと考える。年初に懸念されていた深刻な景気後退のテールリスクは低下したとみている。
予想を上回る活動指標は、欧州中央銀行(ECB)が利下げを急ぎ過ぎないよう、より慎重な姿勢を促す可能性が高い。ユーロスタットの最新データではコアインフレ率が2.7%と高止まりしており、景気減速が想定ほど深刻でなければ、ECBには「より長く引き締め的政策を維持する」余地が生まれる。私たちは、市場が織り込む利下げ回数が実際にはより少なくなる可能性に賭ける好機とみており、例えば12月限のユーロリボー先物を売ることでポジションを構築できると考える。
Investment Strategies For Equities And FX
ユーロ・ストックス50などの株価指数にとっては、企業収益が急落するとの懸念を和らげる点で追い風となる。ユーロ・ストックス50・ボラティリティ指数(VSTOXX)が足元で14.5まで低下しており、市場に慢心が生じつつある可能性はあるが、私たちは短期のコールオプションを買う好機とみる。この戦略により、大きな資本コミットメントを伴わずに、センチメント改善による上振れ余地を取り込める。
外国為替市場では、ECBがより慎重になるほどユーロには強材料となる。このデータは、米連邦準備制度理事会(FRB)でも景気減速の兆候が出始めるなか、とりわけ対米ドルでユーロの地合いを強める。こうした政策スタンスの乖離が意識される局面に備え、EUR/USDのコールオプションを通じてロングを構築するのが、妥当な取引手段だと考える。
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