TDセキュリティーズは、銀および白金族金属(PGM)の見通しを引き上げた。一方で、足元では金と同様の調整リスクがあるとも指摘した。同行は今後2四半期の見通しを上方修正するとともに、より長期の見通しも引き上げた。背景には、金の底堅さが続くとの想定と、世界経済の改善があるとしている。
TDセキュリティーズは、銀とプラチナが供給不足(ディフィシット)に転じると予想する。供給は弱く、ペルシャ湾紛争後の「ポスト・コンフリクト」局面で需要が増加すると説明した。今回の見直しは、最終需要と投資・金融需要が強まる方向へ環境がシフトするなかで、両金属の需給バランスが引き締まるという見立てに基づく。
Strengthening Fundamentals and Supply Deficits
銀については、短期的な下押しは買い場と捉えるべきだと考える。市場は金と同様の調整リスクに直面しているものの、銀の基礎環境(ファンダメンタルズ)は大きく強まっている。これは、今後数カ月で上昇局面に備える必要があることを示唆する。
ファンダメンタルズの根拠としては、供給不足の拡大が挙げられる。シルバー・インスティテュートの最新報告は、構造的な供給不足が3年連続で続くことを確認し、2026年には2億1,530万オンスの不足を見込んでいる。この供給タイト化は価格にとって強い追い風となる。
プラチナも状況は概ね同様で、貴金属全体に広がるトレンドを示している。ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)の2026年1Q報告は、供給不足が一段と深まっていることを示し、年内の不足を47万6,000オンスと予測した。この不足は、鉱山生産の伸び悩みと、自動車・産業向け需要の増加に起因する。
需要増の背景には、世界経済の回復がある。世界の製造業PMIは3カ月連続で上昇し、J.P.モルガンのグローバル製造業PMIは2026年5月に51.2となり、景気拡大を示した。直近のペルシャ湾紛争後に産業活動が増えることで、これら金属の需要はさらに押し上げられる見通しだ。
Market Positioning, Strategic Plays, and Managing Short-Term Risks
銀は、現在1オンス当たり2,450ドル近辺で持ち合う金の動きに追随するとみられる。歴史的に、貴金属の強気相場では銀が金をアウトパフォームしやすい。また、足元で80:1近辺にある金銀レシオが低下(圧縮)する余地があるとみている。銀は、金の強さが続く局面に対するレバレッジの効いた投資対象になり得る。
この見通しを踏まえ、想定される上昇局面を取り込むため、銀先物の長期コール・オプションの活用を検討している。相場の供給不足と景気回復が価格を押し上げるまでの時間を確保できる点で、晩夏や第4四半期限の契約が魅力的に映る。インプライド・ボラティリティは依然として妥当な水準で、ポジション構築の好機となり得る。
もっとも、今後数週間は短期的な下押し(プルバック)に警戒が必要だ。急落に備えて短期プット・オプションでヘッジする、または主要なサポート水準付近までの下落を待ってからロングを厚くする、といった対応を検討している。このバランスの取れたアプローチにより、目先のリスクを管理しつつ、強気の予測に沿ったポジショニングが可能になる。
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