ユーロ圏の5月速報HICPインフレ率は前年比3.2%となり、市場予想に一致し、4月の3.0%から加速した。コアHICPは2.5%へ上昇し、コンセンサスの2.4%および前回の2.2%を上回った。前月比では総合が+0.1%、コアが+0.3%。今回の公表は2026年6月2日(火)09:00付で、ユーロスタットは本統計を「速報(preliminary)」として公表している(同機関が毎月公表する調和指標)。
データ公表後のEUR/USDは1.1640近辺で推移し、月曜終値(1.1631)をやや上回る水準を維持した。市場では来週の欧州中央銀行(ECB)理事会での利上げ観測が優勢で、予想を上回るコアインフレの強さに加え、ホルムズ海峡の通航制約に伴うエネルギー供給面の圧力が見方を後押ししている。テクニカル面では、EUR/USDは概ね1.1641、20日EMAは1.1656、RSIは46.7。上値抵抗は1.1656、次いで5月29日高値の1.1685。下値支持は5月21日安値の1.1576、さらに下は1.1500が意識されている。
—ユーロ圏インフレ動向とECBの政策見通し
本日が2026年6月2日であることを踏まえると、コアインフレが予想を上回ったことは重要なシグナルだ。2.5%という数字は一過性ではなく、ユーロ圏の基調的な物価圧力が持続していることの確認とみる。これは、ECBが信認維持のために行動するとの見方を強める。
来週のECB政策理事会が当面の最大材料となる。複数の理事会メンバーによる最近の発言は市場にタカ派姿勢を織り込ませる内容であり、今回のデータはその「正当化材料」となった。短期金融市場では現在、0.25%(25bp)の利上げ確率を85%程度まで織り込み、先週の60%から上昇している。
2022〜2023年に、ECBがインフレ対応で後手に回ったと受け止められた局面を想起すべきだ。ECBは同様の過ちを避けようとする可能性が高く、利上げ実施に踏み切る公算が大きい。この歴史的文脈を踏まえると、ハト派サプライズの可能性は低い。
—EUR/USD戦略とテクニカル上の留意点
以上を踏まえると、市場はユーロの上値余地をなお過小評価していると考える。1.1640近辺での足元のもみ合いは、ブレイク前の好機となり得る。米ドルに対する金利差拡大を背景に、上方向への動きに備えている。
具体的には、権利行使価格1.1700近辺、満期を6月下旬とするEUR/USDコールオプションの買いを検討している。タカ派的なECB決定後の上昇局面を取りにいく狙いだ。RSIが46.7と示す低モメンタム環境は、会合接近に伴いボラティリティが上昇する前にポジション構築しやすいことを示唆する。
ユーロ強気が基本シナリオである一方、20日EMA(1.1656近辺)の上値抵抗は認識しておく必要がある。同水準を明確に上抜けられなければ、1.1576方向のサポート試しもあり得る。この点、オプション戦略は、ファンダメンタルズ見通しを限定リスクで取引する手段となる。
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