欧州議会、EU・米国間の関税引き下げを支持 貿易リスク緩和でユーロと株式を下支え

by VT Markets
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Jun 2, 2026

欧州議会の通商委員会は、米国からの輸入品の一部に対する欧州連合(EU)の関税を撤廃する法案を支持する決議を採択した。この動きにより、EU・米国間の通商合意の実施が前進し、ドナルド・トランプ米大統領が設定した7月4日の遵守期限の達成に向けてEUは軌道を維持する。これにより、差し迫った大西洋横断の関税紛争が直ちに発生するリスクが低下する。

市場では、委員会決定を受けてユーロが小幅に反落した。それでも、執筆時点でEUR/USDは0.1%高の1.1647前後で取引されていた。

ユーロと金融政策への含意

欧州議会委員会による対米関税引き下げの決定は、ユーロ見通しのリスクを大きく低減させる。EUR/USDの1.1647への小幅上昇は、7月4日の期限を前にした上昇局面の起点にすぎない可能性がある。直近のユーロスタット統計では、ユーロ圏インフレ率が5月に2.6%で底堅く推移しており、欧州中央銀行(ECB)が利下げを急ぐ圧力は強まっていない。これは通貨の下支え材料となる。

株式、ボラティリティ、セクター別機会

欧州株に対しては、より強気の見方に傾いている。特に、今回の貿易摩擦で圧力を受けてきたドイツの輸出企業に注目したい。最新の四半期では、ドイツの対米輸出が1.9%減少しており、この下落の大部分は関税措置の脅威によるものとみている。2018〜2019年を振り返ると、同様の緊張緩和局面ではドイツDAX指数が急伸しており、今後数週間に向けた強い歴史的先例となる。

主要な貿易紛争の解消は、市場のボラティリティも抑制すると見込まれる。ユーロ・ストックス50・ボラティリティ指数(VSTOXX)は足元で14近辺にあるが、主要なテールリスクが取り除かれつつある状況を踏まえると高めに映る。7月の期限接近に伴い、欧州の主要株価指数を対象としたアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)プットのライティングなどを通じた「ボラ売り」に機会があると考える。

また、回避された関税の主要ターゲットであった欧州自動車セクターにも焦点を当てたい。フォルクスワーゲンやBMWは米国市場からの収益比率が高く、5月の自動車販売データでは北米需要に小幅な回復がすでに見られる。これら個別銘柄への「安心感によるラリー」にレバレッジを効かせて参加する手段として、コール・スプレッド(買いコールと売りコールの組み合わせ)を有効な戦略と評価する。

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