英国のM4マネーサプライの伸び率は4月に前年同月比4.5%へと小幅に上昇し、前回の4.3%から加速した。これにより、前月比では広義流動性の拡大ペースが緩やかに持ち直したことが示唆される。
最新の数値は前年比のプラス成長を維持し、マネー指標の伸びがわずかながら強まった格好だ。ヘッドライン以外の内訳は併せて公表されていない。
マネー拡大とインフレへの含意
英国のM4マネーサプライが前年同月比4.5%に上向いた点に注目している。これは、経済内で潜在的なインフレ圧力が強まりつつあることを示唆する。広義マネーが拡大を続ける状況は、インフレがイングランド銀行(BOE)の目標である2%へ容易に回帰するとの見方に疑問を投げかける。過去には、こうした流動性の増加が消費者物価の上昇局面に先行するケースが多く、2021年にも同様のパターンが確認された。
このデータはBOEの政策経路の見直しを迫り、今後数カ月でよりタカ派的な姿勢が強まる可能性を高めるとみる。市場は2026年の利下げ観測をさらに後退させていく公算が大きく、この見方はSONIA先物にも既に織り込まれており、足元では年末時点での利下げ幅が25bp未満を示唆している。今朝時点で英国2年国債利回りは4.68%へ上昇し、1カ月超ぶりの高水準となった。
ポンド、債券、株式の市場見通し
以上を踏まえると、ユーロなど金融緩和に傾きやすい中銀を抱える通貨に対して、英ポンドが相対的に底堅く推移する可能性がある。トレーダーは、リスクを限定する手段としてGBP/EURのコールオプションなどを通じ、ポンド高局面を見込むポジション構築を検討したい。直近のFXデータでは、ポンドに対するショートポジションが減少しており、市場センチメントが既に変化し始めている兆候がうかがえる。
債券市場では、英国債利回り、とりわけカーブの短期ゾーンに一段の上昇圧力がかかる示唆となる。今後数週間で2年国債利回りが4.75%水準を試す可能性を想定しており、賃金やサービス価格インフレの指標が高止まりすれば、その確度は高まるだろう。短期ギルト先物の売り、あるいは金利スワップを用いて「高金利の長期化(higher-for-longer)」環境を織り込む戦略が考えられる。
株式については強弱まちまちの構図となる。借入コストの上昇は成長株に逆風となり、負債比率の高い不動産や公益(電力・ガス等)といった金利感応度の高いセクターには慎重姿勢が望ましい。他方で、英国の銀行株は、金利上昇局面で純金利マージンの改善が見込まれやすく、相対的にアウトパフォームする可能性がある。
今すぐ取引を始めましょう — VT Marketsのリアル口座を開設するにはこちらをクリックしてください。