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ECBのタカ派観測強まり、円は介入警戒水準に接近 EUR/JPYは186円近辺へ上昇

by VT Markets
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Jun 2, 2026

EUR/JPYは前日の横ばい推移から上昇に転じ、火曜日の欧州時間序盤には186.00近辺で取引された。市場では、ユーロ圏の消費者物価指数(HICP)速報の発表を前に、欧州中央銀行(ECB)がよりタカ派的な姿勢を強めるとの見方が織り込まれた。総合インフレ率は、4月の前年比3.0%から5月に同3.2%へ小幅に上昇すると予想されており、この結果はECBの短期的な政策金利の道筋に影響し得る。ECB専務理事のイザベル・シュナーベル氏は月曜日、エネルギーにとどまらない幅広い物価圧力と、インフレ期待へのリスクに言及し、引き締め的な政策への期待を補強した。

一方、円は一段安となり、対米ドルで159.5円を下回って160円に近づいた。160円は過去に日本当局の市場介入が行われた水準として意識されやすく、EUR/JPYの上昇を抑える要因となり得る。日本の財務相は、原油市場の変動が引き続き懸念材料だとし、必要なら対応する姿勢を示した一方、介入が差し迫っているかどうかについては明言を避け、米国側と連絡を取っていることを確認した。日銀はインフレ率2%程度を目標とし、2013年に量的・質的金融緩和(QQE)を導入、2016年にはマイナス金利と10年国債利回りのコントロールを追加し、日本のインフレ率が目標を上回る中で2024年3月に利上げを実施した。

ECBのタカ派姿勢とEUR/JPYの下支え

中央銀行の政策の方向性が乖離している現状を踏まえると、EUR/JPYは底堅さを維持し、足元では186.50近辺で推移している。ECBはよりタカ派的な姿勢を示す一方、日銀は追加利上げに慎重である。このファンダメンタルズの違いは、EUR/JPYのロングポジションを維持する根拠となる。

最新のユーロ圏の5月インフレ指標では、前年比2.6%へ予想外に上振れし、コア指数も2.9%へ小幅上昇した。これらの結果は、ECBが近い将来に利下げを正当化することを困難にし、ユーロの下値を固める材料となる。デリバティブ取引では、この堅調さを取り込む手段としてユーロのコールオプションの購入を検討すべきだ。

円安基調と介入リスク

取引の反対側では、円安が持続的なテーマとなっている。日本のコアインフレ率は概ね2.2%と落ち着いた水準にあり、日銀はECBほど積極的に引き締めを進める圧力を受けていない。この金利差の拡大は、引き続き円の重しとなる可能性が高い。

この取引における最大のリスクは、日本当局による通貨防衛のための直接介入である。2024年春にはUSD/JPYが160円を上回った局面で大規模介入が実施されており、警戒は現実味がある。リスク管理として、EUR/JPYのプロテクティブ・プットの活用、または上昇局面でのタイトなストップロス設定を検討したい。

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