USD/JPYは160円手前で強い上値抵抗に直面しており、この水準への接近自体が当局による為替介入リスクも高めている。短期的な方向性は地政学とエネルギー取引に左右されており、ホルムズ海峡が再開すればエネルギー輸入の再開に伴い、実需による円売りが増えると見込まれる。
政策面では、輸入物価の上昇が国内インフレ加速の材料と位置づけられており、それが日銀を6月会合での利上げに向かわせる可能性がある。米国では、連邦公開市場委員会(FOMC)は当面据え置きとの見方が強く、中東情勢やインフレ動向の進展次第では、これがドルの一段安を抑制する地合いとなり得る。
介入リスクと根強い円安圧力
USD/JPYは160円を目前に綱引きの状態にある。日本当局が通貨防衛に動く介入リスクは大きなハードルであり、2024年4〜5月の介入で投じた9.79兆円と同様の対応が意識される。ただし、円安に向かうファンダメンタルズの圧力は依然として極めて強い。
この緊張関係は、特に日銀の金融政策決定会合が数週間先に迫るなか、相場のボラティリティが高まりやすい環境を生む。日本のコアインフレ率が2%目標を2年以上にわたり上回って推移していることを踏まえると、ストラドルのようなオプション戦略が有効になり得る。日銀が利上げに踏み切る場合も、据え置きで市場を失望させる場合も、大きな値動きが出れば収益機会となる。
地政学ショック、輸入実需、金利差
中東での緊張緩和の兆しにも注目している。ホルムズ海峡が全面的に再開すれば、再開するエネルギー輸送に向けて日本の輸入企業がドル調達を急ぎ、円売りが増えると見込まれる。日本は原油の9割超を輸入に依存しているため、こうした実需のドル買いはUSD/JPYに即時かつ顕著な上昇圧力を与えるだろう。
一方、米ドル安の追い風はあまり期待できない。米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を据え置く構えとみられ、日米間の金利差は5%ポイント超という大幅な開きが維持される。この金利差は円よりドルを保有することの妙味を高め、通貨ペアの下値を支える要因となる。
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